沖縄伝統空手が受け継いできた平和の精神を学び、日系社会との連携強化に寄与しようと、JICA沖縄は日系社会研修「ユネスコ無形文化遺産登録に向けた沖縄伝統空手の普及継承」をオンラインで開いた。2月4~28日の約1カ月の日程に、ペルーとブラジルから8人が参加。技や型、沖縄伝統空手の精神性を学び、その普及継承に関して意見を交えた。
参加者は、沖縄剛柔流空手の歴史や礼法、呼吸法、立ち方などの講義動画を各自で視聴した。その後、国際沖縄剛柔流空手道連盟総本部東恩納空手道場の蔵元雅一師範と米里吉則師範がオンラインを通し、型や技の指導や意見交換をした。各日程で、スペイン語とポルトガル語の通訳が、指導内容を訳した。
最終日の2月28日、研修を通じて学んだ型と沖縄伝統空手の普及に対する考えをそれぞれが発表した。
ブラジルから参加したタバレス・モンテイロ・ジョゼ・マリオさんは「沖縄空手会館の建設は、世界レベルで沖縄の空手を前進させ、ユネスコ無形文化遺産登録への道を後押ししている」と語った。
ペルーから参加したチャマン・コモット・ロサ・ベルタさんは「子どもたちに空手の技や型だけでなく、空手の本質や生き方を伝えることが大事だと思う」と話した。
型の発表を終え、参加者からは「今まで知らなかった知識を学んだ」「沖縄空手会館を訪れたい。沖縄で共に練習したい」など、さまざまな感想が寄せられた。
指導した蔵元師範は「皆さんが努力して取り組んでくれたことをうれしく思う。型の分解を覚えて、『もう一度』の精神で繰り返し頑張ってほしい。それぞれの国で、たくさんの人に伝統空手を普及、継承されていくことを願っている」と語った。
(吉田早希)