香港と沖縄の違いは… 映画「デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング」上映後トーク


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映画について宮島真一さんとアフタートークする宮城秋乃さん(右)=2月16日、沖縄市中央のシアタードーナツ・オキナワ

 【沖縄】映画「デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング」上映後の宮城秋乃さんと映画館「シアタードーナツ」代表の宮島真一さんのアフタートークが2月16日、沖縄市中央のシアタードーナツ・オキナワで開かれた。映画は香港ポップス界のスーパースター、デニス・ホーがアーティストから民主活動家へと変貌して、権力へあらがうさまを長期密着取材したドキュメンタリー。

 アフタートークでは、チョウ類研究者の宮城さんが世界自然遺産登録の米軍北部訓練場返還地で発見した廃棄物を訓練場ゲート前に置いて車の通行を妨げたとして、昨年12月に在宅起訴された内容を中心に語られた。

 宮城さんは「実力行使という部分で、沖縄や日本に足りないものが香港にはあると思いました」と映画の感想を述べ、公権力に対し「今の辺野古を見ていると警察法に従わず上司の命令に従ってる。さらに上司は国の命令に従っているだけなので、権力の暴走に加担していて市民を守ろうとしていない」と危惧した。

 SNS上で「昆虫の研究をせず基地問題ばっかりやっている」との非難に対して宮城さんは「そうせざるを得ない状況を作っているのが結局は、周り(傍観者)なんです。アーティストや写真家とか、何かしらの技術を持っている人たちがその仕事を放棄してしまう」と述べ「平和は努力しないとつくれない。戦争も平和もつくるのは一部の人たちで、ほとんどは傍観者。傍観者を批判する識者も含め、日本人はもっと批判力をつけてほしい」と問題提起した。
 (喜納高宏通信員)