「食事持ち寄り」「費用は積立金から」トートーメー継承、どう負担軽減する?


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 少子化や共働き世帯の増加、ジェンダー平等意識。社会が変化していく中で、トートーメーを継承するには、どうしたらいいのか―。アンケートからは行事の負担軽減に向け、各家庭でさまざまな工夫を実践していることがうかがえた。

 「兄弟や親族で仕事を分担している」「各家族で食事を持ち寄る」など、一部の人に負担が偏ることのないよう工夫している例が多く寄せられた。中には「誰か一人が犠牲にならないようにホテルで会費制。企画は持ち回り」(40代女性)、「母が中心だが、子どもたちは仕事との都合のつく人が一緒に準備や片付けをしている。みんなでやらないと続かない」(50代女性)といった意見もあった。また金銭的負担の軽減策としては「かかる費用は兄弟模合の積立金から出す」(40代女性)、「料理はみんなでお金を出して仕出しを利用する」(30代男性)といった回答もあった。トートーメーの継承の在り方については「男子がいなければ養子を探すのではなく、女子でも継ぐことが普通になる社会になってほしい」(60代女性)、「伝統行事も時代の変化に合わせて、譲れるところは譲るなど工夫しながら、次の世代へ引き継いでいきたい」(40代女性)など、行事の形や意識の変化を求める声もあった。また、新型コロナウイルスの影響もある。「ここ2年はコロナで中止になり安心している。それでも特に身内が何かなったことなどはない」(40代男性)、「コロナで簡素化された。負担軽減になった」(50代女性)との意見もあった。
 (嶋岡すみれ)


▽調査の方法

 トートーメーのアンケートは、ウェブ上のアンケートフォームに入力する方法で募った。553件の回答のうち、約9割は県内在住者で、内訳は女性は72.2%、男性は27.3%。

 年代別では、40代が最も多く32.9%、次いで50代(24.2%)、30代(20.4%)、60代(10.3%)、20代(6.7%)だった。

 設問は「トートーメーの継承者が女性となることに対して、抵抗感はあるか」「親族でトートーメーは誰が継いでいるか」「自分の子どもに継がせたいか。その理由」などを聞いた。