八重瀬に観光物産協会が設立 シンポジウムで町の未来を話し合う


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八重瀬町観光物産協会設立記念で開かれたシンポジウム=2月28日、八重瀬町中央公民館

 【八重瀬】県内41市町村で39番目の観光協会として、八重瀬町に「一般社団法人八重瀬町観光物産協会」が2月28日に設立された。会長に八重瀬町副町長の石川勝弘さん、副会長にてぃーだ観光取締役の崎原真弓さんと県芸術大学講師の神谷武史さんが就任した。

 9年前に八重瀬町役場跡地をどう利活用するかの検討委員会に沖縄大学の島田勝也さんが招へいされ、検討が重ねられた。その結果、役場跡地に「南の駅やえせ」が誕生した。昨年、町観光商工課内に「観光推進団体設立準備室」を設置し、「従来の観光協会」とは違う「観光地域づくり法人」設置を目指した。

 観光協会設立準備委員会では多くの議論を重ね、観光だけではなく「地域の稼ぐ力」を生み出す組織になるように名称を「観光物産協会」とした。設立趣意書の四つの目標には「地域の宝の伝承」「地域プライドの醸成」「地域産業の活性化」「町民の生活基盤の安定化」を掲げた。

 設立総会を終えた同日夕方、八重瀬町中央公民館で一般町民向けに八重瀬町観光物産協会設立記念シンポジウムを開催した。コーディネーターは観光物産協会副会長の神谷さんが務め、多くの町民が駆け付けパネリスト3人の話に耳を傾けた。

 新垣安弘町長は「役場職員3人を観光物産協会に派遣するので、地域の宝を生かすことを官民一体となって取り組んでほしい」と思いを語った。仲座哲男町商工会会長は「観光だけではなく物産を入れたことは大きな意義があると思う。どれだけ人が来たかではなく、どれだけ消費されたかの指標に注目したい」と語った。八重瀬町出身の金城孝沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)誘客事業部長は、外から見た八重瀬町という視点で思いを語った。

 シンポジウム後、設立準備委員会委員長の島田勝也さんは今後の課題について「地政学的に八重瀬は南部の結節点になり得るポテンシャルを持っている。南部の各市町を連結することができるかだ。岸壁は離れた(船出した)が、いまだ港の中にいる状態だ」と語った。

(喜屋武幸弘通信員)