墜落・休止のメッシュ、急患搬送の8割超を担っていた…北部地域やへき地への影響必至


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メッシュ・サポートの運行する救急ヘリ(左)と医療用飛行機(特定非営利活動法人メッシュ・サポート提供)=2021年1月

 【北部】NPO法人メッシュ・サポートは、北部広域市町村圏事務組合の委託を受け救急・救助ヘリ「やんばるレスキューヘリ」を運航していた。今回の墜落事故を受け、メッシュがヘリ運航の休止を決めたことで、北部地域の離島やへき地の救急搬送への影響は避けられず、自治体関係者から「痛手だ」などの声が上がる。消防や診療所は当面の間、県のドクターヘリや搬送船などで補う方針。

 伊江島空港を拠点に、恩納村以北の北部地域をカバーしていた。国頭村北東部(安田・楚洲・奥)を除く半径50キロ圏内は15分以内に到着できる。

 伊江村によると、21年度(2月末現在)に伊江島から空路で沖縄本島などに搬送した急患63件のうち、8割超の51件をメッシュが担っている。12日の墜落事故後に発生した急患2件は、県のドクターヘリと救急患者搬送船「みらい」で搬送したという。

 担当者は「休止は正直痛い。(事故後封鎖されている)伊江島空港以外の島内公園で離着陸する県ドクターヘリと船で補う」と述べた。

 伊是名村、伊平屋村、国頭地区行政事務組合消防本部なども県のドクターヘリなどで救急搬送を補う方針。ある村の診療所の担当者は「早く駆け付けてくれるメッシュの再開を待っている」と話した。

 北部広域市町村圏事務組合によると、契約期間は31日まで。21年度は随意契約だったが、22年度に関しては、現時点で公表されていない。
 (長嶺晃太朗まとめ)