「戦争が止まってほしい」 ウクライナ出身女性が現地の家族の声伝える 沖縄市で勉強会


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 【沖縄】ロシアによるウクライナ侵攻を受け、勉強会「ボイス・オブ・ウクライナ」が12日、沖縄市産業交流センターで開かれた。ウクライナ出身のアラ・コバルチュークさん(47)=沖縄市=が登壇し「平和のために祈りたい。戦争が止まってほしい」と訴えた。オンラインでも配信され、約70人が参加した。

「戦争が止まってほしい」と訴えるアラ・コバルチュークさん(中央)=12日、沖縄市産業交流センター

 コバルチュークさんはウクライナ南部で生まれ、結婚を機に2017年から沖縄で暮らしている。両親がウクライナにいて、弟はウクライナ軍の兵士だという。ロシアによる侵攻以来、家族となかなか連絡が取れなかった。勉強会の前日に電話がつながった母親は「近くで砲撃の音が聞こえる」と泣いて話していたという。

 コバルチュークさんは「病院に爆弾が落ち、原子力発電所が占領されている。現代にこんなことが起きるのか、信じられない」と語った。

 2014年のロシアによるクリミア併合などの経緯を説明し「ウクライナは独裁者を望んでいない。ソビエト連邦の時代には戻りたくない」と訴えた。

 ウクライナの歴史や文化についても説明があり、参加者が理解を深めた。勉強会は「多文化ネットワークfuふ!沖縄 Voice of Ukraine」が主催し、沖縄NGOセンターなどが協力した。

(宮城隆尋)