アートピアノ「音楽の奇跡」伝えたい アルベルト城間さんが子どもらと制作し寄贈 南城・津波古公民館


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子どもたちに色の塗り方を教えるアルベルト城間さん(左)=2月26日、南城市佐敷津波古の津波古公民館

 【南城】色鮮やかなピアノが公民館に―。南城市佐敷津波古の津波古公民館に6日、ペルー出身でバンド「ディアマンテス」のボーカル、アルベルト城間さん(55)らが制作した「アートピアノ」が寄贈された。

 城間さんは「使い古したピアノをカラフルにして、誰もが楽しく弾きたくなるようなデザインにした」と笑顔で語った。

 企画したのは同公民館で子ども食堂などを実施する「馬天おいしい会」の渡辺正会長。渡辺会長が自宅から持ってきたアップライトピアノに、城間さんが雲やハートの模様を施し、鮮やかなデザインに仕上げた。

 2月26日には子どもらを集めてワークショップを開催。ピアノや城間さんが作ったペルーの楽器カホンの色付け、カホンをたたく体験などをした。参加した馬天小1年生の児童(7)=馬天小1年=は「初めてカホンをたたいて、とても楽しかった。ピアノも丁寧に色を塗ることができた」と目を輝かせた。

 城間さんは、インテリアデザイナーだった母の姿を見て育ったといい「カーテンの模様や壁の色など、母の仕事ぶりを見ながら自然と色彩の知識を身に付けた」と説明する。最近は音楽活動の傍らグラフィックデザインに打ち込み、沖展にも出展している。

 大学時代、リマで暮らす貧しい子どもたちの姿を見かけ、ペルーの貧困や格差問題を目の当たりにした城間さん。同世代の学生や政治家の格差への無関心にストレスを感じて大学を中退し、自宅に引きこもった。その頃、日系人の合唱団に参加して、音楽の素晴らしさに感動する。「音楽に救われて社会復帰を果たした。音楽が起こす奇跡や素晴らしさを、アートピアノを通じて子どもたちに伝えていけたら」と語る。

 これまで那覇空港や国内外のホテルなどに寄贈しており、津波古公民館のアートピアノは7台目。城間さんは「たくさんピアノを弾いてカホンをたたいてほしい。いつかさまざまなアーティストを呼んで、この場所で子どもたちと一緒に演奏したい」と前を見据えた。 (金城実倫)