渡嘉敷島だけ!「露頭」「遺跡」再発見 住民参加し観察会 国立公園8周年


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渡嘉敷島の露頭について学ぶ参加者ら=5日、渡嘉敷島のクンシ海岸

 【渡嘉敷】慶良間諸島国立公園指定8周年を記念した「渡嘉敷島の石ころと地形・船越原遺跡観察会」(主催・環境省慶良間自然保護官事務所)が5日、渡嘉敷村で開かれ、小学生以上の住民20人が参加して地球と島の成り立ち、歴史、地形、地質などを学び、新たな魅力を発見した。

 慶良間諸島は2014年3月5日に全国31番目の国立公園に指定された。慶良間自然保護官事務所は毎年記念イベントを同日に実施している。今回は、県立博物館・美術館地学担当の宇佐美賢さんを講師に招き、地層や岩石が地表に表出する露頭や遺跡などを観察した。

 露頭巡検コースは、島の北東部海岸のクンシ(儀津崎)の黒色千枚岩、城島(グスク)の緑色千枚岩やビーチロックなどを見学し、岩石の見分け方を学んだ。島北端の北山高地(にしやま)展望所(標高約200メートル)では、慶良間諸島を眼下に見ながら島々の地形と成り立ちなどの説明に耳を傾けた。同地の赤間山(アカンマヤマ・標高227メートル)の史跡「ヒータティヤー」烽火(のろし)台跡も見学した。島の南端にある阿波連東海岸の船越原では、縄文時代に当たる時代の爪型文土器や貝殻が出土した遺跡を見学し、この地にしかない琉球石灰岩、石切り場を見学した。

慶良間諸島の地形と成り立ちなどを宇佐美賢さん(右)から学ぶ参加者=5日、北山高地西展望所

 講師の宇佐美さんは「渡嘉敷島は自然が豊かに残っている。島をよく理解して自然と共存しつつ、島の発展を考えてほしい」と強調した。参加者の尾崎華さん(渡嘉敷小5年)は「島には違う石が多くあり、直接目で見て触れることのできる場所(露頭)がいっぱいあることを知った」と目を輝かせた。親子で参加した島袋綾乃さん(39)は「自然に対し、おのずと感謝の気持ちが湧いた。島の良さを再発見できた」と声を弾ませた。
 (米田英明通信員)