第43回山之口貘賞、第49回琉球新報短編小説賞、第43回遠藤石村賞・琉球俳壇賞、琉球歌壇賞、第33回琉球新報児童文学賞の合同贈呈式が23日、那覇市泉崎の新報ホールで開かれた。出席した受賞者10人が喜びを語り、湧き上がる創作意欲を示した。
山之口貘賞の長嶺幸子さんは「古里の記憶は無限に広がり、夜空の花火のように鮮明だ」と、受賞作への思いを詩的に語った。
短編小説賞正賞の奈穂カネーロさんは「受賞が友人らの励みになり、思いがけずうれしかった」と喜び、同賞の赤星十四三(としぞう)さんは「小説はなかなか結果の出ないいばらの道だが、これからも精進したい」と意欲を示した。
遠藤石村賞の西原洋子さんは「秀作に学び、風土を素材にした俳句作りを心掛ける」と述べた。俳壇賞の仲間文子さんは「幼少期を過ごした西表島での経験が俳句の原点」と振り返った。
歌壇賞の野田勝栄さんは「一首一首、心を込めて作歌に取り組む」と強調。同賞の森山高史さんは「ライバルは自分。受賞をモチベーションにしたい」と力を込めた。
児童文学賞短編児童小説部門佳作の金城圭さんは「佳作はもっと努力しなさいという励ましの賞」と自身にハッパを掛けた。同佳作の夏目小暖(このん)さんは欠席したが「シリーズになる話を創作したい」とメッセージを寄せた。
同賞創作昔ばなし部門佳作の水蝸牛(みずかたつむり)さんは「今起きていることを昔話のスタイルで伝えたい」と新たな挑戦を語り、同佳作の宮國敏弘さんは「宮古には愛すべき豊かな財産がある」と、地元密着で創作を続ける決意を述べた。
(稲福政俊)