壕の暗闇「ここに人がいたんだ…」沖縄戦を実感 県外の学生ら遺骨収集 糸満市摩文仁


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遺骨収集を行う国際ボランティア学生協会の、左から黒田隼平さん、日下梨々子さん、和氣樹さん、熊谷鷹治さん=23日、糸満市摩文仁

 国際ボランティア学生協会の学生4人は22、23の両日、糸満市摩文仁の丘周辺で遺骨収集を行った。県平和祈念資料館友の会の仲村真事務局長の案内で、遺骨収集の痕跡がない壕を複数確認して、中から日本軍の銃口蓋(ぶた)などを見つけた。壕内には多数の石があり、仲村さんは「石の下に遺骨が残っている可能性もある」と話した。来年の活動で石を動かす作業を検討している。

 同協会は新型コロナ感染拡大前は年に2回、沖縄を訪れ遺骨収集を実施していた。今年は2月に約60人規模で実施予定だったが、まん延防止等重点措置で延期した。今回、人数を絞って実施した。学生らは雨が降る中、険しい崖を降り、谷底で石を上ったり降りたりしながら、草刈り機でカヤをかき分けて壕を探した。

 参加した同志社大2年の日下(くさか)梨々子さん(21)は「遺骨収集に行くまでが大変だった。壕の中で暗闇体験し、当時のことを感じることができた」と話した。群馬県立女子大2年の和氣樹さん(20)は「小中高の社会科の授業でも詳しく取り扱われないので、沖縄戦について初めて知った。そこに人がいたのだと実感が湧いた」と話した。

(中村万里子)