国の「首里城復元に向けた技術検討委員会」(委員長・高良倉吉琉球大名誉教授)は24日、那覇市内で2021年度の第3回会合を開いた。これまで各ワーキンググループ(WG)会議で議論した首里城施設内に消火・防火用の地下式水槽を新設することや、正殿基壇の遺構を真上から見学できるよう新たな見学窓を設けることなどを決定した。
同日の会合では、正殿の防火対策や防災センターの機能、木材や瓦類の調達状況、首里城公園全体のテーマなどについても検討結果を報告した。委員会を主宰する沖縄総合事務局が各委員会の意見を踏まえた上で、本年度中に実施設計をまとめる。各WGは22年度以降も継続して実施する。
大龍柱の向きが実施設計で暫定的に相対向きに決定したことについて、高良委員長は「設置までまだ時間はある。これまでの見解を覆すような新しい知見や資料があれば変更する可能性も十分ある」と述べた。
(当銘千絵)