那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添移設に関する移設協議会が30日、オンライン形式で開かれ、国側は浦添ふ頭地区北側約49ヘクタールをT字形に埋め立てる軍港の形状案を県や那覇市、浦添市に正式に提示した。県によると、移設協議会で防衛省側は「那覇港湾施設の運用や訓練は代替施設でも想定される」と述べ、移設先でも米軍が航空機飛来を伴う訓練を実施する可能性に言及。これに対し、県は「機能強化に当たる」として、反対姿勢を示した。
協議会は冒頭のみ公開された。会議後、取材に応じた金城賢知事公室長は、国側が移設後の訓練を事実上容認したことに対し「現有機能の確保を目的とする移設協議会の趣旨とは、齟齬(そご)が生じる」と指摘し、県として容認できないとの立場を強調した。
さらに、環境影響評価などを含め、軍港完成までの期間は「およそ17年」と試算していることを明らかにした。日米両政府は完成時期を「2028年度またはその後」としてきたが、県試算とは大きな開きが出ている。
那覇軍港を巡っては昨年3月に県と浦添市、那覇市は浦添ふ頭地区の民港部分(109ヘクタール)を南側に配置することで合意し、事実上軍港が北側に配置されることが決定した。
同年5月の移設協議会では国側に形状案を提示し、国側が米軍と軍港の形状について調整していた。今回、国が示した形状案では軍港部分は橋で民港部分と接続する。防波堤も新設する。
(塚崎昇平まとめ)