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海岸ごみ拾い続ける小中学生4人に環境大臣賞 「ウミガメがいる海を守るために」


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環境大臣賞の受賞に喜ぶエコホヌの(左から)具志堅咲羽さん、志喜屋ももさん、具志堅塁さん、吉田陽季さん=21日、南城市知念

 【南城】南城市知念の海岸で、ごみ拾いをする小中学生のグループ「ECOHONU(エコホヌ)」がこのほど、地球温暖化防止や脱炭素社会に向けて取り組む団体などを表彰する「脱炭素チャレンジカップ2022」のジュニア・キッズ部門で、環境大臣賞を受賞した。メンバーは「自分たちが受賞するとは」と喜びの表情を見せた。

 エコホヌのメンバーは知念在住の具志堅咲羽(さわね)さん(15)、塁さん(11)のきょうだいと、志喜屋ももさん(11)、吉田陽季(はるき)さん(13)の4人。2020年、新型コロナの感染拡大による臨時休校中にごみ拾いを始めたのがきっかけで、昨年4月にエコホヌを立ち上げ、毎週月曜の夕方に海岸でごみ拾いを続ける。エコホヌの名前はハワイ語でウミガメを意味する「ホヌ」から名付けた。「ウミガメがいる知念の海を守るために」と願う。

 プレゼンテーションでは紙芝居を作成して活動内容を発表した。ももさんの母で、4人の世話役を務める志喜屋理恵さんによると、地域ぐるみでエコ活動に取り組んでいることや、海洋ごみ問題に取り組む非営利の環境NGO「JEAN」に毎回、ごみの種類や量などを報告していることが評価された。咲羽さんは「取り組みが評価されて、とてもうれしい」と喜んだ。

 地域に賛同の声が広がり、砂浜に散乱するごみを集める住民もいるという。吉田さんは「友人からは『私もごみ拾いをしたい』という声があった。自分たちが活動することによって、周囲の意識が変わってきた」と目を輝かせる。塁さん、ももさんが通う小学校では4月から、ごみ拾いを通して海の環境を守る活動が行われるという。

 咲羽さんは4月から高校へ進学し、吉田さんは中学で生徒会副会長を務める。咲羽さんらは「学校もあって忙しくなるけれど、これからも活動は続けていく」と決意を示す。「楽しくやることが一番だ」という塁さんは「海には貝やウミガメなど生き物がたくさんいて面白い」、ももさんも「みんなとおしゃべりしながらごみ拾いをするので楽しい」と笑顔で語った。

 脱炭素チャレンジカップ2022では、沖縄CO2削減推進協議会が企業団体賞を受賞している。
 (金城実倫)