沖縄県・新任部長の顔ぶれと抱負(4月1日人事)


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 県は1日、2022年度定期異動人事を発令する。部長級は知事公室長と総務部長、企画部長、子ども生活福祉部長、保健医療部長、商工労働部長、環境部長らが変わる。新任部局長の顔ぶれや抱負を紹介する。


新振計施策を推進 儀間秀樹 企画部長

儀間秀樹 企画部長

 2022年度は沖縄の日本復帰50周年の節目で、企画部はこれらの取りまとめ役を担う。さらに今後10年間の新たな沖縄振興計画(振計)がスタートする。重要な年の企画部長への就任に重責を感じるが、「やるしかない」と前を向く。

 1986年に県人事委員会に採用されたことを皮切りに、総務部や商工労働部、サミット推進事務局、県教育庁、企画部などで勤務してきた。最も長く所属したのは財政課。また、21年度末までで終了した第5次沖縄振興計画策定時の12年度に企画調整課計画班の班長を務めるなど、総務・企画畑を歩んできた。

 「今年は振計の初年度で重要な年。計画に盛り込まれた施策をしっかり取り組んでいく」と意気込む。

 趣味は休日にぼーっと釣りをすること。若い頃は野球やソフトボールも愛好したが、「最近は運動不足」と頭をかく。那覇市出身。1963年12月13日生まれ。琉球大卒。


福祉を一層手厚く 宮平道子 子ども生活福祉部長

宮平道子 子ども生活福祉部長

 1987年に入庁し、総務部や保健医療部、商工労働部、県産業振興公社など幅広く担当。2020年に子ども生活福祉部の統括監を務め、新年度から部長を担う。

 08年に2度目の配属となった広報課では、県政記者クラブなどを担当する主幹に女性として初めて起用された。「女性で大丈夫か」の声もあったというが、家族の支えもあって緊張感ある役職を務めきった。近年は女性管理職も増え、自身も部長になったことで「時代の移り変わりを感じる」と振り返る。

 福祉分野のかじ取りを担う今後は、県政の最重要施策である子どもの貧困対策やヤングケアラー支援に取り組むつもりだ。新型コロナウイルスの影響も大きいが「福祉サービスをより一層手厚くしたい」と語る。

 趣味はたき火鑑賞。くべた木がパチパチと小さくはぜる音に癒やされている。1964年1月28日生まれ。名護市出身。琉球大卒。


健康長寿取り戻す 糸数公 保健医療部長

糸数公 保健医療部長

 新型コロナウイルスが流行した2020年から、保健医療部で感染症対策やマスコミ対応に奔走してきた。4月以降は部のトップとして「本島北部や離島の医療体制構築にも取り組みたい」と意気込みを示す。

 小児科医師を目指して小浜島や座間味島の離島の診療所で勤めた。その際に中高年の健康維持と予防医療の重要性を痛感し、県内の保健所勤務へ。その後、07年には先輩の誘いで、県庁の感染症担当班長となり、新型インフルエンザ対策も経験した。

 予防医療に取り組む「医師」として、県民の健康長寿を取り戻すことで「働き盛り世代の健康維持が感染症の合併症防止にもつながる」と指摘する。「大きな予算と組織でダイナミックに取り組める」と新年度の決意を新たにした。

 趣味のマラソンは毎月100キロ走ることを継続中。三線もたしなむ。1966年1月12日生まれ。那覇市出身。自治医科大卒。


企業の収益力高める 松永享 商工労働部長

松永享 商工労働部長

 新型コロナウイルスによって県経済に強い逆風が吹く中で就任する。「コロナ対策は引き続き喫緊の課題。重層的な支援と同時に、ブランド力の強化や販路拡大をはじめ、企業の生産性や収益力を高めて県民所得の向上につなげ、県経済全体を盛り上げていきたい」と意気込みを語る。

 1990年に入庁した。商工労働部は、観光商工部時代を含めて4回目となる。若い頃に先輩から教わった「巧遅は拙速にしかず」という言葉を座右の銘とする。

 案件に応じ精緻さと速さのバランスを見極めながらも、「完璧な仕事でもタイミングを逃せば意味がない。スピード感を高めることを意識してきた」と話す。県内企業への支援も、事業の継続と雇用の維持を最優先にスピード感を重視する。

 「仕事中心の生活になっている」と苦笑いするが、旅行でリフレッシュを図る。1964年10月15日生まれ、那覇市出身、琉球大卒。


県議の活動支える 山城貴子 議会事務局長

山城貴子 議会事務局長

 県議会事務局で初の女性事務局長となる。「あまり『女性だから』と考えて仕事はしてこなかった」と話す一方で、女性や若い世代が議員を目指しやすい環境づくりのサポートを意識する。

 東京での商社勤務を経た後に1991年に入庁した。17回の異動でさまざまな分野の部署、外郭団体で経験を積んできた。ただ、議会事務局勤務は初めてという。「やってみないと分からない」が本音だが、「まっさらな状態だからこそ見えてくる課題もある。私にしかできないことがあると思うので、そういったところを頑張りたい」と新たなチャレンジに意欲を見せる。

 「怒るな、威張るな、焦るな、腐るな、負けるな」の頭文字を取った人生訓「おいあくま」を胸に、県議会の“主役”である48人の県議の活動を支える意欲だ。

 1963年4月21日生まれ。沖縄市出身。筑波大卒。趣味はゴルフ鑑賞、ピアノ演奏。