【宜野座】宜野座村宜野座区在住の上地安勝さんは80歳の今も現役農家として毎朝4時に起きて雨の日も台風の日も、まずは畑をパトロールする。かくしゃくとした身のこなしで、重量10キロはある畑用の「穴開け棒」も身軽に振り下ろす。農業は種から「楽し実」が育ち、収穫することが幸せだとして「大変だと思ったことは1度もない」と言い切る。後継者育成や新たな農業の可能性を探るなど情熱は衰えない。
上地さんは農業に機械化を率先して取り入れてきた。トラクターを操る姿は豪快そのものだ。これまでジャガイモ、ダイコン、キュウリと、何でも栽培してきたが、カボチャが1番効率がよいという。
現在は約2万8千平方メートルの畑を持ち、公民館で展示するほど大きなカボチャを育てた。上地さんにとって収穫は「皆に見てもらい喜ばれること」が目的だという。ジャンボカボチャの実は家畜が食し、外皮は中にLEDを仕込んで照明の飾りとして活用するなど、遊び心もいっぱいだ。
コロナ以前は海外旅行が趣味だったが「宜野座より良い所はない」「これからは遊びきりたい」と語る上地さん。ビジネスとしての農業を終えて、自身の農地約3300平方メートルを「同志」と共有し、農業体験、キャンプや音楽コンサートを開いたり、動物との触れ合い交流の場を設けたりしている。農業の新たな可能性を創造するべく意気込み、後継者に農業を教えることも含めて農業へのあふれる情熱は不変だ。
(池辺賢児通信員)