激戦地土砂の辺野古使用、人権救済申し立て検討 東京弁護士会が視察、遺骨一部を確認


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遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表(右)が掘り出した遺骨を確認する東京弁護士会の市川洋樹弁護士(左)=4日、糸満市山城の「東京の塔」付近

 東京弁護士会人権擁護委員会沖縄問題対策部会の弁護士ら5人が4日、糸満市米須の土砂採取予定地とその周辺を視察した。遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表の案内で、土砂採取予定地の裏にある「東京の塔」付近で沖縄戦戦没者とみられる遺骨の一部を確認した。辺野古新基地建設に伴う沖縄本島南部での国の土砂採取計画に関し、同会は人権救済申し立てができるか調査を検討する。

 同会は毎年、基地問題など沖縄の現状を視察しているが、コロナで昨年は視察が中止になり、2年ぶりに来県した。具志堅さんと同会の弁護士らは、米須の鉱山を敷地外から見た後、山城の「東京の塔」近くで小さな足の骨や歯を確認した。具志堅さんは歯について「すり減っているので高齢で住民の可能性もある」と指摘。「南部の遺骨は砲弾で砕け散ったものが多い。未開発の緑地帯には、このような遺骨がまだある」と語り、人権擁護の観点から協力を呼び掛けた。

 同会は、米須で亡くなったとみられる戦没者の県内外の遺族にも、人権救済申し立ての意向を確認する。部会長の藤川元弁護士は、国の計画に関し「死者や遺族の権利を侵害することにならないか検討したい。できるだけ早めに前向きに進めたい」と話した。
 (中村万里子)