沖縄の16歳、壁画アートやボディペイントで初個展へ 東南植物楽園で開催


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ウクライナ侵攻をテーマにした作品に挑戦する名護高校の稲嶺瑠琳さん=18日、名護市宮里

 【名護】自然の素晴らしさを伝えたいー。ボディーペイントや壁画アートなどに取り組む名護高校2年の稲嶺瑠琳(るり)さん(16)は今年夏ごろに、沖縄市の東南植物楽園で初の個展の開催を目指し、クラウドファンディング(CF)で支援を呼び掛けている。

 稲嶺さんは小学校の頃から漫画などを書くのが好きで、高校入学後は画用紙などに絵を描く。これまで本島北部を中心に多数の壁画アートを手掛けてきた。名護市宮里では地元企業の依頼を受け、駐車場の壁画にスーパーマンに扮(ふん)した人物を描き、話題となった。

 今回の個展のテーマは「自然と人」。テーマに適した場所として、東南植物楽園を選んだ。施設の一角を借りて、顔や手に植物などのイラストを描き込むボディーペイント作品の写真を展示する。植物を使った空間デザイン、映像作品づくりにも取り組む予定。

 稲嶺さんは自然が大好き。国頭村までサイクリングに出掛け、やんばるの自然と触れ合ってきた。「人は世間や損得などの『外側』を意識してしまうことが多いが、自然は自分自身を信じて成長する」と自然の姿に魅力を感じた。個展では、植物のように自分のペースで成長していく人、自己を見つめる人の姿を表現した作品を展示する。

稲嶺瑠琳さんの個展開催に向けたクラウドファンディングのポスター(提供)

 個展の準備と並行して、ロシアのウクライナ侵攻をテーマにした壁画アートも制作している。この作品もウクライナ国花・ヒマワリなどの植物が多く描かれている。「人も自然のように『外側』にとらわれず、自分のペースで、自分自身を大切にして過ごしていけば平和は訪れると思う」と語った。

 先月19日から始めたCFには、既に目標金額の65万円を上回る金額が集まっている。資金は撮影に必要なカメラマンの人件費、会場設営などで活用する。支援者には稲嶺さんの作品などの返礼品を送付する予定。地元企業なども個展実現に向けポスターの掲示やチラシの配布をしている。

 稲嶺さんは「こんなに支援いただけるとは思っていなかった。個展を実現し自分の思いを発信させたい」と感謝した。CFの受付や詳細は、https://readyfor.jp/projects/Rurigon6665まで。

 (長嶺晃太朗)