【竹富】西大舛高旬前竹富町長の辞職に伴う町長選は17日、投票日を迎える。立候補したのは、届出順にいずれも無所属新人で、元町教育委員会職員の前泊正人氏(44)と前町議の那根操氏(70)の2人。両氏に公約や選挙の争点などを聞いた。(聞き手・西銘研志郎)
前泊正人氏 ICT活用し 格差是正へ
―出馬理由は。
「行政で働く中で、町民の声が町政に反映されていないと感じていた。町民と議論しなければ、町の発展はない。町の信頼回復を目指していきたい」
―公約は。
「竹富町は島々で構成される町だが、子育て支援などの福祉や教育に格差があってはいけない。ICT(情報通信技術)を活用して格差を埋めていきたい。コロナ禍で町民が苦しんでいる中で、町民の命と生活を守り、町民が希望を持てる町にしたい」
―町の課題は。
「竹富町民は何をするにも船に乗らないといけない。海上交通の運賃が経済的な負担になっている。町民の足の利便性向上に取り組みたい。国にも実情を知ってもらえるよう取り組みたい」
―争点は。
「西表島大原での町庁舎・多機能複合施設整備の現計画は、町にとって過大であり、適正規模で整備すべきだ。ただ相手候補と意見が分かれているが、大きな争点にはならない。まずは誰が町民の生活を第一に考えているかが争点になる」
那根操氏 コロナ禍 一律5万円給付
―出馬理由は。
「多くの町民から出馬を望む声があった。当初は、自分は町長の器ではないと断っていたが、大勢の方から頑張れと声を掛けてもらい、思い切って決断した」
―公約は。
「まずやり遂げたいのは、町民が安全に安心して暮らせるふるさとづくりだ。島々の貴重な文化の保存・継承にも力を入れたい。また今回の選挙活動を通じ多くの人から『コロナ禍で苦しい』との声が寄せられたので急きょ、町民への一律5万円の給付を政策に盛り込んだ。財源も確認できており、実現可能だ」
―町の課題は。
「町政の信頼回復が課題だ。だが(与党町議だったが)街頭に立ってもあまり逆風を感じることはない。自分のカラーを出していきたい。町内は島ごとに課題がある。地域ごとの特色をどう生かすか、町民の声を聞いていきたい」
―争点は。
「相手候補は地域も重なり、若い。だが私には各島々の先輩方とのつながりがある。そういったつながりを生かした町づくりをしていきたい」