木育の魅力普及へ「学芸員」を養成 国頭・やんばる森のおもちゃ美術館


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
やんばる産の木材で作られたおもちゃに触れ合う来館者=9日、国頭村のやんばる森のおもちゃ美術館

 【国頭】国頭村辺土名のやんばる森のおもちゃ美術館(多田千尋館長)で9日、芸術と遊び創造協会が指定管理者になったことに伴うキックオフセレモニーが開かれ、関係者が門出を祝った。今後、やんばるの森や木育の魅力を伝えるボランティア「おもちゃ学芸員」の育成に注力する。2年後には面積を現状の約4倍の650平方メートルに増築し、木育普及の拠点化を目指す。

 同美術館は2014年、同協会が運営する「東京おもちゃ美術館」の姉妹館として開館した。やんばるの森で育ったリュウキュウマツなどを使ったおもちゃを通じ森の魅力を体感できる施設だ。専門性を高めるために村は4月1日から、指定管理者を従来の国頭村森林組合から同協会に変更した。

キックオフセレモニーでテープカットなどが行われた「やんばる森のおもちゃ美術館」=9日、国頭村

 おもちゃ学芸員はおもちゃや遊び方の案内人で、全国で約2千人が活動する。同館が導入するのは初めてで、琉球ややんばるの伝統文化、自然を伝える役割も担う。5月と7月に2日間ずつ講座を開講し、50人を登録して学芸員が常駐する体制を目標に掲げる。

 多田館長は「IT社会で感性が鈍る中、自然に触れ合い感性を育む木育の重要性は増している。来館者が学芸員と気軽に話せる施設にしたい」と語った。宮城明正副村長は「木育推進をはじめ、林業などの振興にも期待する」と述べた。

 おもちゃ学芸員養成講座の問い合わせはやんばる森のおもちゃ美術館(電話)0980(50)1022。
 (岩切美穂)