中小企業の景況マイナス36.4 県中央会3月 旅行者増で改善


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 県中小企業団体中央会(島袋武会長)は18日、3月の県内景況動向を発表した。前年同月と比較した中小企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は全業種平均でマイナス36・4となり、前月調査から22・7ポイント改善した。製造業は前月比40ポイント上昇のマイナス40、非製造業も8・4ポイント好転のマイナス33・3となった。

 前年に比べ、県内を訪れる卒業旅行客や観光客が増えたことが改善の要因。ただ、新型コロナウイルス感染症流行前となる2019年との比較では多くの業種で厳しい状況が続いている。

 中央会は「原材料、物流費、燃料費などの値上げや今後の資金繰りの面で悪影響を懸念する声が多い」と指摘している。

 製造業(全10業種)は5業種が「悪化」とし、原材料や燃料費の高騰に苦慮している。唯一「好転」とした出版印刷業もコロナ前よりは仕事が戻らず、資材値上げによる収益悪化を懸念する声がある。

 非製造業(全12業種)は6業種が「悪化」となった。ホテル旅館業は全体の売上高は前年同月比で増加したものの、伸び悩む事業者もいた。複数の県をまたぐ国の観光事業支援事業「地域ブロック割」の適用が見送られたことで、観光客が他県に流出して売り上げに響いたとの声もあった。

(小波津智也)