社会人野球の第93回都市対抗野球県予選第4日は19日、沖縄セルラースタジアム那覇で第1代表決定戦を行い、エナジックが8―4で沖縄電力に勝利した。20日には沖縄電力とビッグ開発BCが第2代表を懸けて沖縄セルラースタジアム那覇で対戦する。代表2チームは5月28日から熊本県で開催される2次予選に出場する。
エナジックの先発・川邉龍ノ介が6回を3安打1失点と好投した。140キロ台の直球で打たせて取り、アウトを積み重ねた。直球を主体に投球を組み立て、沖電打線を手玉に。「練習してきた直球で抑えることができてうれしい」と胸を張った。
2日前、沖縄電力の準決勝戦を観戦し、直球に対して打者のバットが振れていないことに気付いた。同じカードでの対戦となった2年前の決勝は、序盤から変化球を狙われて打ち込まれたが、この日は磨いてきた直球があった。
元々は変化球投手で、直球には苦手意識があったというが、全国大会進出を見据えて今年から強化に励んだ。大事な場面でも気後れせず投げ込めるように、西村憲投手コーチと共にメンタル改善にも取り組み、投球スタイルを一新した。
今では全国トップレベルのチーム相手にも通用する自信もある。26歳の川邉は「この年になっても成長できることにびっくり。今が一番状態が良い」と満足そうに話す。
川邉の好投について石嶺和彦監督は「しっかりゲームをつくってくれたのが勝因」と目を細めた。目標は本大会出場。石嶺監督は県予選での失策が多かったことを課題に挙げ、「まずは九州で一つずつ勝って、ミスせずしっかりとした野球をやること」と気を引き締める。九州予選での活躍を強く誓った。
(野添侑麻)