沖縄市長選 両陣営の選対本部長に聞く 選挙戦の手応えは?無党派層への取り組みは?


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 【沖縄】24日投開票の沖縄市長選は、21日から三日攻防に突入した。新人で前市議の森山政和氏(73)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし推薦=と、現職の桑江朝千夫氏(66)=自民、公明推薦=の2氏が立候補し、一騎打ちとなっている。両陣営の選対本部長に選挙戦の位置付けや手応えを聞いた。 (’22沖縄市長選取材班)


<森山陣営>仲村未央氏 経済政策を争点に

 

仲村 未央氏

 ―選挙戦の手応えは。

 「非常に手応えを感じる。特に森山さんが訴えている『人にやさしいまちづくり』と『人への最大の投資』、貧困対策、中でも給食費の無償化は反応が高い。それだけニーズがあると感じる」

 ―選挙戦の争点は。

 「停滞した市の経済再生と貧困対策だ。市の市民所得は県平均の8割で非常に深刻だ。10年前は9割あった。県平均との差が広がっている。ちゃんと仕事に就ける、技術を付ける、そういう人づくりがなされなければ所得は上がらない。教育という視点もあるが、経済政策そのものだ」

 ―投票率の予想と当選ラインの見立ては。最終盤はどう取り組むか。

 「投票率は54%程度を予想している。当確ラインは過去の実績を踏まえると3万票を目標に取り組んできた」

 「公約の給食費無償化は財源への関心も高い。基地がある自治体に総務省が交付する調整交付金が市には年間約14億円あり、これを活用する。最終盤は分かりやすい訴えを徹底的に広げたい」

 ―有権者への訴えと、候補者のアピールを。

 「森山さんは34年の教員の経験に加え、3期12年の議員活動の中でも合唱団やジュニアオーケストラを立ち上げ、子どもの居場所づくりや人材育成を続けてきた。コザ十字路のターミナル整備や図書館などの整備で市東部や市北部の利便性を上げ、市の均衡ある発展を考えている。フルマラソンを連続41回完走した。体力、気力とも万全だ」

 ―若者や無党派層の支持獲得への取り組みは。

 「実は公園をかなり回った。子育て世代の親子や祖父母がおり、たくさんの市民の声を直に聞ける。とはいえ週末や夜間に働く人も多いので、SNSやネットでの発信を最大限に活用しながら直接の訴えも続ける」


<桑江陣営>花城大輔氏 公約の実現が原点

花城 大輔氏

 ―選挙戦の手応えは。

 「これまでの沖縄市長選で組織体制が一番強化されている。支援者の議員や団体、企業の動きが活発で陣営の雰囲気もいい。市民の反応も良く、手応えを感じている」

 「市民から『あと4年頑張ってほしい』との声が聞こえてくる。市民の皆さんが市長のこれまでの実績を実感している」

 ―選挙戦の争点は。

 「新型コロナからの回復を誰が行うのか問われている。桑江市長は公約を90%達成した。この実績が市民に判断される」

 「政策も期待されている。バスターミナル構想は、今まで見たことがない沖縄市になるとみんながワクワクしている」

 ―投票率の予想と当選ラインの見立ては。最終盤はどう取り組むか。

 「前回の投票率は47%だった。県内第2の都市でこのような選挙をしてはいけない。今回は55%ほどいきたい。当選には最低3万票は必要だ。桑江市政が評価されていれば、前回を超える3万4千票を獲得したい」

 「各地域で集会を行ってきた。期日前投票の呼び掛けに力を入れる」

 ―有権者への訴えと、候補者のアピールを。

 「市民と約束した公約を、責任と情熱を持って実現させるリーダーは誰か見極めてほしい。桑江市長は公約の実現こそが政治の原点だと考え、行動している。責任感が飛び抜けて強い人だ」

 「沖縄アリーナやモータースポーツマルチフィールド沖縄の整備、若年妊産婦の居場所づくりなど多くのことを同時に動かしてきた。ネットワークもあり政権とのつながりも強みだ」

 ―若者や無党派層の支持獲得への取り組みは。

 「SNSへの投稿は、今までの倍ほど取り組んでいる。20~30代の若い弁士たちが遊説をまわったりと、選挙に参画してくれる若い人が多い」