無農薬ジャガイモ「もとぶ美ら女王」ブランド化 県外への販売強化や国外輸出も


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有機JAS制度に適合した、煮崩れしにくいジャガイモ「もとぶ美ら女王(クイーン)」を生産する前原信勝さん=21日、本部町役場

 【本部】本部町(平良武康町長)は21日、2020年に化学物質に頼らず自然界の力で生産された食品の基準を定めた「有機JAS規格」の認証を受けた前原信勝さん(80)の無農薬のジャガイモを「もとぶ美ら女王(クイーン)」としてブランド化し、県外への販売強化や国外輸出を視野に展開していくことを発表した。22日から新ブランド名で県内量販店などで販売する。

もとぶ美ら女王(クイーン)

 販売強化、輸出も視野

 前原さんは、10年ほど前に農場の土づくりから始めた。ススキを短く切って土にすき込み肥料にしたことで、土に酸素を多く取り込めるようになった。除草剤は使用せず、防草シートを敷き雑草は手作業で除去している。町豊原の約6600平方メートルの農地で栽培し、昨年の収穫量は5トン。今年は6トンを目指している。

 ブランド名は、太陽と海と緑あふれる「もとぶ」の自然の恵みの下、生産農家の愛情をたっぷり注がれ「ちゅらかーぎー(美人)」に育ったジャガイモに、品種名でジャガイモの女王と呼ばれる「メークイン」をかけて命名された。希望価格は1キロ800円。

 14年前から有機栽培を研究してきた前原さんは「県内外や国外の人たちにも本部の豊かな自然の下で有機栽培したもとぶ美ら女王を食べてほしい。煮崩れしにくいまーさむん(おいしいもの)だ」と自信をのぞかせた。

 本部町の平良町長は「前原さんの長年の努力と経験で生まれたジャガイモを本部町産のブランドとして打ち出し、生産と販路拡大をバックアップしたい。地産のいいものを子どもたちに食べてもらうため毎月学校給食でも提供できればいい」と語った。

 21日は町内の6小中学校の給食でも肉じゃがの具材として提供された。本部小1年の村川清さん(6)は「ジャガイモの形だったけど、口に入れたらすぐにぺちゃんこになって食べやすかった。味もおいしい」と笑顔を見せた。(松堂秀樹)