キングス、悲願の日本一へ前進 チーム力で終始リード 第49戦【西地区優勝】


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 プロバスケットボールBリーグ1部西地区1位の琉球ゴールデンキングスは23日、沖縄アリーナで同2位の島根スサノオマジックと今季第49戦を行い、93―82で勝利し、5年連続で地区優勝をつかみ取った。昨年春に稼働し、ホームとなった沖縄アリーナで優勝を飾るのは初めて。会場には6500人のファンが詰め掛け、手拍子などで選手を後押し。応援を気力に変えてチームは一丸となり難敵の島根を撃破した。試合はキングスが前半から精度の高い外角シュートを立て続けに決めてリズムをつかむ。点の取り合いの中でも攻撃リバウンドなど要所で強みを発揮し、徐々に引き離した。後半は島根が粘りを見せるが、岸本隆一が3点弾を連続で沈めるなど再び二桁点差にして振り切った。通算成績は、44勝5敗で首位を維持。次戦は24日、同会場で島根と戦う。

琉球―島根 第3Q、ダンクシュートを決めるキングスのアレン・ダーラム=23日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 気迫に満ちあふれたキングスが開始から隙のないプレーで島根を寄せ付けず、西地区5連覇を成し遂げた。第1クオーター(Q)に3点弾の連発で先行してからは終始リードを保って最後まで走り抜けた。シーズンを通して強みとなった冷静さでゲームをコントロールし、主導権を握りつづけた。

 勝因はリーグトップを誇るリバウンド力。5点リードの第2Q立ち上がり、アレン・ダーラムが攻撃リバウンドから得点し、ゴール下で強さを発揮した。長身の小寺ハミルトンゲイリーに加え、ドウェイン・エバンスもコートに入りビッグ3を形成。リバウンドの競り合いで勝利を重ね、次々と得点機につなげた。

 この日得点を量産した岸本隆一が「仲間が拾ってくれる。信頼の上でプレーできている」と言うように、リバウンドの強さがシュートの精度を引き上げ、好循環を生み続けた。

 第1Qは今季苦しい場面でシュート決めてきた今村佳太が逆転を図る3点弾を連発。第2Qはエバンスとダーラムがゴール下で暴れた。第3Qはコー・フリッピンがドライブからのターンで守備をかわす持ち味の俊敏さで見せ場をつくった。さらに「他チームのビッグ3より機動力がある」と自負するダーラムが、小寺からパスを受けて、ハーフコートを駆け抜けてダンクを決めてファンを沸かせた。

 今季加入しチームに欠かせない大きな柱となったダーラムは「リーグ優勝は初めて。大変喜ばしいが、チームはより大きな目標を持っている。それを取ってお祝いできたらいい」と冷静にチャンピオンシップの舞台を見据えた。
(謝花史哲)

 


キングス 44勝5敗
 93―82(24―19,26―18,22―24,21―21)
島  根 37勝13敗

 【評】キングスは外角から精度の高いシュートを決め流れをつかみ、その後はリバウンド力で主導権を握り続けて、追いすがる島根にリードを保ち続けた。最終第4クオーターも冷静なシュート判断で得点を重ねて逃げ切った。

 

目指すバスケ体現

 桶谷大HC(キングス)の話 出だしから目指すべきバスケを体現した。負ける時はリバウンドもやられていたが、今日は3ビッグのところで拾ってくれた。それで主導権を取れたと思う。ファンやみんなと戦って地区優勝を取れたことは素晴らしいことだと思う。

キングス タフだった

 ポール・ヘナレHC(島根)の話 キングスはフィジカルが強く、タフだった。セカンドチャンスポイントを多く取られたことが、敗因だったと思う。
 

琉球―島根 第3Q、相手を3人で囲むキングスの(左から)アレン・ダーラム、今村佳太、小寺ハミルトンゲイリー
琉球―島根 第1クオーター、ディフェンスをかわしてシュートを決めるキングスのドウェイン・エバンス
琉球―島根 西地区優勝を決め、笑顔を見せるキングスの選手たち