仲本、バレー日本代表へひたむき ネット際の巧みさ武器に


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バレーボールに対する思いなどを語るパナソニックパンサーズの仲本賢優

 バレーボールVリーグの強豪パナソニックに所属し、2022年度の日本代表登録メンバーに選ばれた県出身の仲本賢優(24)=西原高―日体大出。登録35人から最終メンバーは絞り込まれていく。25日までパナソニックの豊見城合宿に参加した仲本は、勝負はこれからといった面持ちで気を引き締め直していた。

 35人中、パナソニックからは仲本を含め5人が選出された。大会ごとに最終メンバーは半数以下に絞られる。主要大会はネーションズリーグやアジア大会、世界選手権などになる。

 県勢男子は2002年に徳元幸人(石川高―中央大出)が日本代表に選出されている。仲本は幼い頃、JTに所属していた徳元のプレーを見て「自然とVリーグを夢見るようになった」という。代表ユニホームを着てコートに立つためのスタートラインに並んだことに「素直にうれしい気持ち」と語るが、手放しで喜ぶ様子はない。

練習で鋭いスパイクを打ち込むパナソニックパンサーズの仲本賢優=25日、豊見城市民体育館(ジャン松元撮影)

 理由の一つがパナソニック内での激しいポジション争いだ。代表経験もある大学生らが加入し、昨季後半戦から出場機会が減った。ライバル的存在である一方「年下とか年齢は関係なく、手本となるプレーヤー」と切磋琢磨(せっさたくま)する後輩にリスペクトの精神を忘れない。「若い力が入ってきてリーグ後半戦は勢いが加わった」と刺激を受けている。

 スパイカーとして187センチは大型とは言えない。「レシーブの部分でもチームに貢献できれば」と守備も武器にした。スパイカーとしては「ただ強く打つ」ことから脱却し成長を実感してもいる。「ブロックをうまく利用したり、タイミングをずらしたり、引き出しを増やすことが大事」とネット際で巧みに仕掛け、上背の差を埋める。

 豊見城市でのチーム合宿は「地元沖縄だからこそのエネルギーも出せた」と内容の濃いものとなった様子だ。県内でプレーする小中高校生に向け「V1、V2にも県出身選手が大勢いる。(日本代表は)沖縄からでも決して届かない舞台ではないことを伝えたい」と自らを鼓舞するように語る。最終メンバー入りに向け「選ばれる、選ばれない、どちらにしても常にアピールし続けたい」とひたむきさを貫く。
 (大城三太)


<仲本賢優略歴>

 仲本賢優(なかもと・けんゆう) 1997年11月生まれ。西原町出身。西原高、日本体育大出。Vリーグ1部のパナソニックパンサーズへ2020年に入団。187センチ、80キロのアウトサイドヒッター。21年12月のオールスター戦に出場した。