モヤシ、豆腐が値上げへ 円安、原材料高騰、上海ロックダウンの物流停滞…沖縄への影響は


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工場で作られるパック豆腐。原料価格の高騰などで値上げが検討されている=西原町東崎のまえさと

 円安、原材料高騰、上海ロックダウンに伴う物流の停滞の影響が沖縄県内にも及んでいる。「物価の優等生」と言われる豆腐やモヤシは値上げを予定。輸入果物も価格が高騰している。物流の停滞で内装用資材の入手が困難になる事例も出てきている。

 豆腐、モヤシ製造大手「まえさと」(西原町)の前里雅也社長は「円安の本格的な影響はこれから。輸入加工品で値上げしないのは難しいのではないか」と厳しい表情で話す。原材料の大豆の価格は昨年から高騰。経済再開に伴うコンテナの不足で物流費も上がっているため、昨年10月、初めて値上げに踏み切った。

 しかし、その後も大豆の価格は高騰。さらに原油価格高騰に伴い、包材価格も上昇しており、原材料費は30~40%程度かさんでいるという。

 追い打ちを掛けるのが円安だ。相場が落ち着いてから取引したいが、物流が安定していないため、大豆があるときに取引しなければならない。

 モヤシは中国での需要増大もあり、緑豆の価格上昇が続いてる。「これまでは生産力を向上することで価格上昇は吸収できたが、今回の上がり幅は厳しい。企業努力の範囲を超えている」とし、豆腐、モヤシ、こんにゃくの値上げを予定している。

 27日に開店予定の居酒屋「琉球餃子マニア」(那覇市牧志)は上海ロックダウンの影響で調達が遅れたり、困難になったりした資材がある。「ミシュランガイド東京2019」で、安くて良質な店「ビブグルマン」の評価を得た「餃子マニア」(東京)のフランチャイズ(FC)店。本場中国と同じ雰囲気にするため食材、皿、内装などで中国製品を使っている。

 調味料など代替がきかないものはFC本部が確保したが、家具は中国製でそろえることができなかった。オーナーの斉藤竜輔さんは「本来ならもっと作り込むことができた。食材の高騰もあるが努力していくしかない」と開店準備を進める。

 輸入果物には円安の影響が直撃している。那覇青果物卸商事業協同組合によると、ニュージーランドから仕入れるキウイフルーツと、メキシコ産のアボカドは過去に類を見ないほど価格高騰しているという。アボカドは去年の夏と比較して仕入れが50~60%上がっていて、売値も1・7~1・8倍ほどになっている。担当者は「5月に入るともっと上がる可能性が高い」と見通した。(玉城江梨子、当銘千絵)