9割が「リピートしたい」沖縄でのワーケーション 懸念事項は「コスト」 総合事務局が体験者に調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
イメージ写真

 沖縄総合事務局は28日までに、沖縄におけるワーケーションの需要や可能性を探ることを目的に、2021年に実施した調査の結果を公表した。ワーケーションを実際に体験した人の平均滞在日数は11・8日、平均滞在費用は21・5万円で、いずれも19年の沖縄観光の平均滞在日数(3・6日)と平均消費額(7・4万円)を大きく上回った。

  調査は21年9~12月に、過去2年間に県内でワーケーションを行った人や沖縄ファンなどワーケーションを実施する側と、自治体や観光協会、宿泊施設など受け入れる側を対象にオンライン上で実施した。

 調査ではワーケーション体験者の95・6%が「リピートしたい」と回答し、沖縄ファンも全体の6割がワーケーションに関心があると答えた。

 一方で、実施する側の懸念事項で最多を占めたのは「コスト」で、滞在中にかかる費用負担の大きさを指摘する人が多かった。次いでWifiなどの「設備」とセキュリティーなどの「環境」が挙がった。

 受け入れ側への調査では、宿泊施設やテレワーク施設はワーケーションプランの販売や設備の改善などに積極的に取り組んでいる事業者が多かった。一方で自治体や観光協会でワーケーションに関する取り組みをしていると回答したのは約3割にとどまった。

 同局は「今後ワーケーションを促進するためには、利用者の負担を軽減するため長期滞在用プランの販売やオンライン会議用個室、Wifi環境の整備など、さらなる改善対応が必要だ」とまとめた。また、自治体や観光協会が観光事業者や宿泊施設と連携し、地域住民と利用者との交流の場を作るなど積極的に取り組むことで、関係人口の創出や地域での消費額増加につなげていくことが期待できるとした。

 調査結果は、今後県内でワーケーションを本格的に展開していくための基礎資料として活用する。
 (当銘千絵)