ハンドボールの第50回県中学生春季選手権大会最終日は29日、豊見城市民体育館で男女決勝までを行い、男子は浦添が神森に38―37で競り勝ち、2年連続8度目の優勝を果たした。女子は延長の末、仲西が31―30で浦西を破り、2年連続12度目の栄冠に輝いた。
浦添、残り3秒に決勝点
試合終了まで残り3秒。敵陣でラストパスを受けた浦添の右サイド、赤嶺尚太朗がディフェンスの間から抜け出し、ボールをサイドネットに突き刺した。この日、チーム最多の11得点を挙げ「絶対に自分が決めようと思っていた。優勝できてうれしい」と、苦しみながらつかんだ栄冠を感慨深げにかみしめた。
前半を同点で折り返すと浦添は後半、相手の圧力に負けないよう、サイドからの崩しやポストプレーなどで的を絞らせず、立ち上がりから連続3得点を挙げた。しかし、対する神森も全国覇者らしい怒濤(どとう)の攻撃を見せ、最後まで1点を争う展開となった。
この試合に決着をつけた赤嶺は「積極的にシュートが打てた」ことを勝因に挙げる。苦手の1対1を何度も切り抜け、自信をつけたという。メンタルの弱さが課題だったが、試合前に名嘉伸明監督から「思いっきりいけ」と背中を押してもらったことも奏功し、最後まで攻めの意識を切らさなかった。
厳しい戦いを制し、宮城藍斗主将は「全国王者の神森を相手に良い試合ができた。次は自分たちが日本一になって後に続きたい」と胸を張った。
(野添侑麻)
仲西、速攻で得点機 浦西を1点差でかわす
延長までもつれ込んだ女子決勝は、仲西が浦西を1点差でかわし、2年連続で優勝をつかんだ。8得点を挙げ勝利に貢献した主将の大城詩は「逆転で連覇を飾れてほっとした」と笑顔を見せた。
得意の堅守速攻がさえず、相手に連続で得点を許す場面もあった仲西だが「守備に集中しよう」と声をかけ合い、積極的な守備からパスカットし、速攻につないで得点機をつくった。
3月の全国大会では準々決勝で大差で敗れた。エースの大城佑月は「完敗だった」と振り返り、「まずは一つずつ勝って県中学総体を取る。それから全国に再挑戦したい」と悲願の全国ベスト4入りを誓った。
(野添侑麻)