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沖縄のコミュニケーションはリアル・Facebook 琉球通運代表取締役会長・新垣直人<仕事の余白>


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 最近社名を「メタ」に変更したフェイスブック社。事業の内容はソーシャルネットワークサービスで、友達、知り合いを中心としたコミュニケーションをネット上で行うというのものだ。東京で約30年間仕事をしてきた私は、数年前に地元に戻ったとき、一番初めに思ったことは沖縄のコミュニケーションの取り方だった。まるで「フェイスブック」のリアル版じゃないか!と感じたのである。

 南から北までたったの150キロ。その中で地域のコミュニティーの距離感と言うのは、友達の友達は皆友達、いちゃりばちょーでー(一度会ったら友達)という距離感なのだ。これは私の常識ではSNS上でしかありえない繋(つな)がり方だと思っていた。本土で初めての会社に営業に行くと、実績、技術、品質など仕事の本質を取材してくる。しかし沖縄では仕事の話はあまりしない。まず素性を調査してくる。出身地、出身校、知り合いなどの個人情報を取得する。そして知り合いに繋がったら、それが保証となって仕事を獲得できるのだ。本来ビジネスのあるべき姿は沖縄にあり、沖縄のパフォーマンスが今のトレンドではないかと思ってしまう。

 知らない人から「あんた、あれ分かるねぇ~」「誰?」「直人さん」「ああ、分かるよ」「え!?分かるんだ~、どんな関係ねぇ~」「私の友達の友達だはず」「え、それ分かるっていうの? じゃ、紹介しようねぇ~」、「んじ、あんた、あれ分かるねぇ」……。え、戻るんかい!