アメリカの大学で沖縄の歴史や三線を紹介 譜久嶺絹子さんと夫のグレンさん


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譜久嶺絹子さんと夫のグレン・マーレイさん=アメリカ

 ニュージャージー州にある公立大学ウィリアム・パターソン大学には、日本のサブカルチャーに興味を持つ学生らが中心になって結成した「Go Japan」というクラブがある。日本語を履修する学生らと共に講師を招き、見聞を広めて交流することを目的としたイベントを開催している。

 2月には「沖縄の歴史と音楽」をテーマに、八重山出身の譜久嶺絹子さんが古典と民謡の違いなどについて説明し、三線と箏(こと)で一曲ずつを演奏した。夫のグレン・マーレイさんは、三山統一から現在までの沖縄の歴史ついて講演した。絹子さんは「自分たちにできることがあればと、気軽な気持ちで引き受けた。今回、夫と共にリサーチや予行演習をして、学生らに沖縄のことを紹介でき、学生らが三線や箏に関心を示したのは何よりだった」と話す。

 グレンさんは36年前、集中治療の客員医師として沖縄県立中部病院に招かれ、そこで看護師をしていた絹子さんと知り合い結婚した。2019年にバージニア州バージニアビーチ市の病院を定年退職し、故郷のニュージャージー州に引っ越した。時間的に余裕ができた二人は、夫婦二人三脚で20年から文化紹介のボランティア活動を始めた。書道やコケ玉作りも絹子さん自らが実演している。

 絹子さんはバージニアビーチ市在住中も、三線グループのリーダー兼指導者として桜祭りや地元大学のイベントに出演する。グレンさんが司会をして、沖縄伝統芸能のアピールに貢献しており、その功績は大きい。バージニアビーチ三線グループとは今でも月一回、ズームで三線の稽古を続けている。

 芸道の精進のため日々の稽古に余念のない絹子さんを、グレンさんが温かく見守る。今年は里帰りをして箏の最高賞に挑む予定だ。

(鈴木多美子バージニア通信員)