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国道58号の8車線化、その効果は?<けいざい風水>


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浦添市城間から勢理客間の暫定8車線で開通した国道58号=3月27日(又吉康秀撮影)

 皆さまは沖縄初の「8車線道路」を利用されましたでしょうか?それは本年3月27日に通行が可能となった浦添市城間から勢理客までの国道58号線浦添区間のことで、約3キロの8車線道路を通行するドライバーは新たな感覚を覚えることでしょう。

 実はこの道路、宜野湾市宇地泊から浦添市西洲までの西海岸道路と合わせると合計12車線となり、都市間のアクセス向上による経済効果、交通渋滞緩和による通勤・通学の利便性向上、渋滞を原因とした交通事故の減少が期待されています。

 浦添市は県都である那覇市のベッドタウンであり、人口は那覇市、沖縄市、うるま市に次いで多く、事業所数も那覇市と浦添市で沖縄県の約4割を占め、県経済を牽引(けんいん)する重要な地域です。そのような浦添市ですが、「混雑時平均旅行速度」と言われる指標は、大都市圏並みの遅さとなっています。ノロノロ運転によるイライラや沖縄観光へのイメージ低下、それに伴う経済損失が懸念されていることから、「8車線」への期待は大きいでしょう。

 沖縄総合事務局によると、「8車線道路」になることで那覇新都心と沖縄コンベンションセンター(宜野湾市)の間の移動時間は33・7分になり、従来の片側3車線(37・5分)から4分程度の短縮が見込まれるとのことです。「たった4分?」と思われる方もいるかと思いますが、救急車の到着が4分早まる、消火活動が4分早く始められるなど「たった4分」で助かる命があると思うと、「8車線道路」の役割は多岐にわたると思いませんか?

(沖縄銀行城間支店支店長 赤嶺正明)