沖縄の日本復帰、評価した人の4割が基地集中「不平等」 新報・毎日世論調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米軍嘉手納基地(資料写真)

 琉球新報と毎日新聞が実施した復帰50年の合同世論調査では、県内・全国とも復帰を高評価したが、沖縄の米軍基地負担については意識の差が表れた。在日米軍基地の沖縄への集中を「不平等」だとする意見は、県内では6割に達したが、全国は4割にとどまる。さらに県内・全国とも日米安全保障体制をおおむね評価し、中国の軍事力強化を不安視するが、全国の過半数が沖縄の米軍基地が自らの住む地域には来てほしくないと回答した。復帰50年が経過しながらも、沖縄への「基地の押し付け」を是認する姿勢が浮かび上がった。

 全国調査で日本復帰を「良かった」、「どちらかといえば良かった」と評価した人のうち、沖縄に在日米軍専用施設面積の7割が集中する現状について「不平等だと思う」と回答したのはそれぞれ41%、40%だった。前回2012年調査ではそれぞれ69%、71%の人が不平等だと回答しており、基地集中を是認する回答が増加した。

 全国調査で自分の住んでいる地域に米軍基地が移設されるのは「賛成」と回答した人のうち復帰を「良かった」とする人は26%、「どちらかといえば良かった」は15%にとどまった。一方、自分の住んでいる地域に米軍基地が移設されるのは「反対」と回答した人のうちでは「良かった」は51%、「どちらかといえば良かった」は63%と多数を占めた。

 全国調査で復帰を「良かった」、「どちらといえば良かった」と回答した人のうち、沖縄への基地集中を「やむを得ない」と回答したのはそれぞれ37%、28%だった。一方、県内調査では日本復帰を否定的に捉える「どちらといえば悪かった」「悪かった」と回答した人のうち、沖縄への米軍基地の集中は「不平等だと思う」と回答したのはいずれも78%でより高い水準となった。

(梅田正覚)