ライフル射撃の全日本選抜競技大会が7、8の両日、熊本県総合射撃場で行われ、女子50メートルライフル伏射60発決勝で、うるま市出身の新里葉津紀(27)=興南高―中央大出、鹿児島県・バイクフォーラム所属=が、618.6点を出して初優勝を飾った。新里は、50メートルライフル3姿勢60発で予選を577点で5位通過したが、決勝は396.8点で7位だった。
昨年の東京五輪出場を逃し、落胆していた新里葉津紀が全日本選抜で初の頂点に立ち、2年後のパリ五輪に向け大きな弾みをつけた。「もっと行けると思った」と点数に納得はしていないが、東京五輪代表の平田しおりに僅差の0・3ポイントで勝利したことを素直に喜んだ。
前日の3姿勢が本命だったが、緊張でタイミングがずれるなどして「思うようにできなかった」。不完全燃焼で臨んだ翌日の伏射は、ここ3年は615点以上が出ず「苦手意識があった」。しかし撃ち始めると真ん中を捉え続け「うまいじゃん」と心に余裕ができた。狙い過ぎて外すことが多かったが、今回は「楽しんでいた」と振り返る。
自己ベスト623点には届かなかったが、2位の平田に競り勝った。「運が良かった。浮かれずに次を頑張りたい」と、2週間後のワールドカップ選考会に照準を合わせる。
大学卒業後、鹿児島でキャリアを積む。東京五輪にはあと一歩及ばず涙をのんだが、持ち前の負けん気で好きな射撃を続けてきた。課題とする「気持ちのコントロール」を克服し、さらなる活躍を誓う。
(金良孝矢)