沖縄初の芥川賞作家・大城立裕さんの追悼論集が刊行 功績や活動を振り返る


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「沖縄を求めて沖縄を生きる」

 沖縄初の芥川賞作家で、2020年に死去した大城立裕さんの追悼論集「沖縄を求めて沖縄を生きる」(インパクト出版会)が10日付で刊行された。昨年11月に那覇市内で開かれた追悼シンポジウムの内容に加え、国内外の研究者が論考、エッセーを書き下ろした。

 芥川賞作家の又吉栄喜さん、元名桜大学学長の山里勝己さん、元琉球大学教授で作家の大城貞俊さん、作家の崎浜慎さんの4人が編集した。エッセーは琉球大学名誉教授の高良倉吉さん、前国立劇場おきなわ芸術監督の嘉数道彦さん、米ブラウン大学名誉教授のスティーブ・ラブソンさんらが執筆。作家論・作品論は作家の玉木一兵さん、ハワイ大学名誉教授のフランク・スチュワートさんらが執筆した。巻末に大城立裕さんの活動を振り返る年譜も掲載した。

 編集した大城貞俊さんは「小説などの文学研究から組踊、エッセーまで、さまざまな視点から大城立裕さんの全体像に迫った。復帰50年の節目に、沖縄文学の新たな1ページを刻む論集になったと思う」と話した。
 (宮城隆尋)