「生徒に3年間の集大成の大会を」沖縄県、高校総体実施へ子の感染対策徹底呼び掛け


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 新型コロナウイルスの感染が10代以下の世代で拡大していることを受けて、沖縄県は26日までの2週間を子どもの感染拡大を抑制する重点期間に設定した。27日開幕の県高校総体など、生徒にとって重要な各種大会を成功させたいとの思いを込めたという。糸数公保健医療部長は「今の高校3年生は1年生から緊急事態宣言などで大会などが開催できず、今年も危ぶまれている。大会参加を目標に感染を抑え込みたい」と協力を呼び掛けた。

 新規感染者が2330人となった12日は、年代別では10歳未満が最多で406人、10代が402人と続く。40代以下の子育て世代では300人超となっており、今後は入院リスクのある高齢者世代への拡大も懸念される。

 県は子どもの感染対策として、学校内や学童、塾、自宅などで換気の徹底やマスク着用などを呼び掛けた。部活動は他校との練習試合の延期を求めながらも、抗原検査キットで陰性確認すれば可能としている。

 感染拡大が続く中でも部活動を重視する声は幅広く寄せられている。県教育委員会保健体育課によると、高校総体開催を切望する意見は部活関係者や保護者だけでなく、教職員からもあったという。こうした声を受けて県教委は12日、県立高校と市町村教委、各教育事務所などに感染対策の協力を呼び掛ける通知を出している。

 夏は高校総体以外にも、県中体連や高校野球選手権の県予選など、生徒にとって日々の練習を糧に挑戦する大会がめじろ押しだ。保健体育課の城間敏生課長は「生徒たちには自分たちを守るという意味でも感染対策を徹底し、3年間の集大成として大会本番に臨んでほしい」と協力を求めた。
 (嘉数陽、吉田早希、嘉陽拓也)