試合を動かしたのは並里成だった。3点弾に鋭いドライブ、間を抜くパスを次々と決め、食い下がる秋田を突き放す原動力となった。
思うように点が伸びず重い空気が流れた第3クオーター(Q)、24秒バイオレーション間際に3点弾を沈めた。その直後に守備リバウンドを奪うと、自陣から一気に攻め上がり得点を決めた。第4Qに詰め寄られた場面でも、ジャック・クーリーへ息の合ったパスを供給しリードを広げた。フェイントから自ら切り込んでレイアップも決めるなど、ゲームをコントロールしてチームに勢いを呼び込んだ。
レギュラーシーズン終盤は思うように調子が上がらなかった。しかし百戦錬磨の並里が大一番で持ち味を発揮した。「プレーオフになったら僕が何とかしないといけない時間帯がある。後半の勝負どころで来ると思う。その時、結果を出せるよう準備したい」。その言葉をコートで表現した。
3点弾もこの日は2本沈め10得点に乗せた。堅守を持続できたことも勝因となった。秋田の得意な3点弾に注意を払い60点に抑えた。並里は「相手はスクリーンゲームがうまい。明日はみんなで協力してそれを抑えていくというプランができたらと思う」と連勝を誓った。チームは勢いに乗って準決勝進出一番乗りを狙う。
(謝花史哲)
我慢強く抑えられた
桶谷大HC(キングス)の話 最初に少し守備でやられたくないところやられたが、徐々に我慢強くできて60点に抑えられたのは良かった。攻撃ではターンオーバーがもったいなかった。第2戦はターンオーバーをなくし、いいシュートを打てるようにしたい。
うまく攻められず
前田顕蔵HC(秋田)の話 試合を通してリバウンド、相手のプレッシャーにうまく攻められなかった。ここがチームとしての課題。ここをしっかり修正することができればチャンスはあると思えた試合だった。明日勝てるようにしっかり切り替えたい。
プロバスケットボールBリーグ1部の年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)が13日、開幕した。2戦先勝方式で8チームがトーナメントを戦う。琉球ゴールデンキングス(西1位)は沖縄アリーナで秋田ノーザンハピネッツ(東5位、ワイルドカード)と準々決勝第1戦を行い、74―60で勝利した。キングスは第1クオーター(Q)にリードを許したが、第2Qにスチールを6本決めるなど鋭い守りから攻勢を仕掛けて逆転した。リードして迎えた第3Qは並里成を起点に攻めて主導権を握ったが、第4Qに入ると秋田の日本人選手が奮起して一時4点差まで詰められた。それでもキングスは的確な連係で得点を重ね、再びリードを広げた。強度の高い守備も維持しながらリバウンドも奪い、逆転を許さなかった。第2戦は14日午後6時5分から同会場で行う。キングスが勝利するとCS準決勝進出が決まる。
【B1チャンピオンシップ】
▽準々決勝第1戦(沖縄アリーナ、5680人)
キングス(西地区1位)1勝
74―60(19―20,21―13,15―10,19―17)
秋 田(ワイルドカード)1敗
【評】キングスは秋田から19個のターンオーバーを奪うなど最後まで堅守を貫いた。第1クオーターに秋田のスクリーンを使った攻撃に苦しみ、相手の守備を崩せず得点も伸び悩んだ。それでも守りの強度を落とさず、リバウンドでも競り勝って白星を引き寄せた。