キングス、CS準決勝進出 小野寺、シューター覚醒 準々決勝第2戦、秋田に77ー56 


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西1位)は14日、沖縄アリーナで秋田ノーザンハピネッツ(東5位、ワイルドカード)とチャンピオンシップ準々決勝第2戦を行い、77―56で快勝した。2連勝で準決勝進出を決めた。キングスは前半、徐々に外角からのシュート精度が上がり、3点弾9本と効率的に加点した。守りも立ち上がりから修正し9失点にとどめて一気にリードを広げた。秋田が第3クオーター(Q)に入って強度の高い守備から攻勢を仕掛け、2桁あった点差を1桁まで縮めてきたが、キングスは第4Qに再び3点弾を連発し、圧倒した。準決勝は同会場で21日から。東京アルバルクと島根スサノオマジックの勝者と戦う。

キングス―秋田 第4Q、3点シュートを決めるキングスの小野寺祥太=14日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 3点弾による得点力が勝敗を分けた。キングスはゾーン守備を敷く秋田の網の外から攻め立て、3点シュート15本を沈めた。成功率は44・1%。3本の秋田に対し、外角から点を量産した。レギュラーシーズンの3点弾成功率がリーグ1位の秋田を圧倒するシュート力で、準決勝進出を引き寄せた。シューター陣の感覚がさえ渡った。中でも小野寺祥太が5本中4本を成功させる高確率でゴールを射抜き、チーム最多の14得点で躍動した。

 第1クオーター(Q)終盤に交代し、すぐにスチールを決めて並里成の3点弾につないだ。「コートに立った瞬間から守備でハードにできて流れをつくれた」と得意の守りから気持ちが乗った。第2Qにシューターとして覚醒。開始から3点弾を沈め、さらに2本のゴールを外角から決めた。相手のファウルトラブルもあり、チームは一時最大21点のリードを広げた。

 第3Qに守備システムを変えた秋田を攻めあぐねて足が止まり反撃を受けたが、第4Qは再び小野寺の3点弾で始まり流れを引き戻した。試合前から桶谷大ヘッドコーチが「祥太が上がってこないと、この先しんどくなる」と思い描いた通りの起用に応える活躍だった。

 古巣の秋田戦で成長した姿を見せた小野寺。準決勝も「今日みたいにアグレッシブにやっていきたい」と勝利を目指す。

(謝花史哲)


古巣相手に「悔しい」 秋田・古川

キングス―秋田 第1クオーター、ドリブルで攻め込む秋田の古川孝敏

 古巣のキングス打倒を目指し沖縄アリーナに乗り込んだ秋田の古川孝敏だったが、チームは力及ばなかった。2連敗で秋田初のチャンピオンシップ(CS)は準々決勝敗退となり「本当に悔しい」と残念がった。

 2017年にキングスに入団し、当時キングスのCS進出を引っ張った。19年に秋田に移り、ここでもリーダーシップを発揮してCSに進出できるチームへと成長させてきた。しかし「逆に成長させてもらった。僕一人ではできなかった」とチームやファンには感謝しかない。

 この日の第2戦はチーム最多の15点を挙げて貢献したが「何としても勝ちたかった」。敗戦からのさらなる成長を誓う。

(謝花史哲)


【B1チャンピオンシップ】
▽準々決勝第2戦(沖縄アリーナ、6743人)
キングス(西地区1位)2勝
 77―56(16―18,29―9,14―23,18―6)
秋  田(ワイルドカード)2敗
 キングスは準決勝進出

 【評】キングスはゾーン守備に外角から攻め立て、徐々に内外にボールが回り出して得点機を作り出した。第3クオーター(Q)は秋田に主導権を握られたが、第4Qに強度の高い守備で勢いを止めた。点を与えず流れを引き戻し、20点差まで離して勝ちきった。


自分らの試合できた

 桶谷大HC(キングス)の話 ゾーン守備に手こずったが、いい攻撃はできた。ターンオーバーも11個で終わって、自分たちの形をつくりながら試合ができた。3クオーター以外はハードな守備ができていた。次はまだどのチームが来るか分からないが、いい準備をしたい。
 

悔しいが、いい経験

 前田顕蔵HC(秋田)の話 非常に波のあった試合だった。第3クオーターに選手はファイトし気持ちを見せてくれた。悔しい負けだが、いい経験になった。この2戦が現在地。前を向きながら、秋田がより成長するように進んでいくことが大事だ。