沖縄県人会兵庫県本部(具志堅和男会長)は15日、沖縄の現状を多くの人に知ってもらおうと「沖縄の『本土』復帰50年を考える講演会」を尼崎市で開催した。県人会会員や一般市民ら約150人が参加した。
具志堅会長は「沖縄の米軍基地は銃剣とブルドーザーで(土地を)奪い取ってできたもの。米軍基地が沖縄に集中している歴史と現状を知り、沖縄の声を身近な人たちに伝えていってほしい」と呼び掛けた。
琉球大学の島袋純教授は「施政権の分離と返還~暴力的な支配を正当化する理論と対抗する論理」と題して講演した。1879年の琉球処分にさかのぼり、「日本の琉球併合は、自決権の侵害であり、国際法上不当な併合」と説明。第2次大戦後、日本の領土は本土4島と周辺の小島とされ、沖縄は排除された。「天皇メッセージ」は米軍にとって都合のよいメッセージとなり、沖縄は米統治下に置かれることになった。
ではなぜ、日米両政府は、施政権返還(日本復帰)を実現したのか。島袋教授は「それは、沖縄の米軍基地の自由使用と恒久化という共通の目的のためだった」と指摘。沖縄の人々は米軍の圧政と日本国憲法へのあこがれから復帰を望んだが、それは踏みにじられたとした。今後、「沖縄の自決権への覚醒と獲得運動がカギになる」と強調した。
集会の冒頭では、県人会員の渡久地翔さんが「平和の願い」「ハンタバル・ナークニー」などを演奏した。
(永峰眞名通信員)