「沖尚対決」に観客しびれる 東浜・偉業ひっさげ凱旋 與座・先輩と堂々の投げ合い 西武-ソフトB戦


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(左から)西武―ソフトバンク 力投するソフトバンク先発の東浜巨=17日、沖縄セルラースタジアム那覇(小川昌宏撮影)、好投する西武先発の與座海人(小川昌宏撮影)

 プロ野球パ・リーグの埼玉西武ライオンズ―福岡ソフトバンクホークス戦は17日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で開催され、ソフトバンクが5―1で勝利した。>>一報はこちら>>https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1518873.html

◆東浜、クールに七回零封

 東浜巨が県民の期待に応えた。11日の西武戦で達成した県出身投手初のノーヒットノーランの偉業をひっさげ、生まれ故郷での凱旋(がいせん)試合となった。七回まで無失点で強力な西武打線を抑えた。西武の先発・與座と見事な投げ合いを演じたが、沖縄尚学高出身の先輩として意地を見せた。

 

ヒーローインタビューでシーサーを手に、笑顔を見せるソフトバンクの先発・東浜巨(小川昌宏撮影)

 立ち上がりでいきなりピンチを迎えた。一回1死、前回登板最後に打ち取った2番金子に直球を左前打された。続く外崎は左飛に仕留めたが、同郷の4番山川に左前打を許す。打撃が好調な5番中村を迎えると、内角を攻めるなどし最後は変化球で三振に仕留めた。

 二回以降は切れるスライダーや直球で三振を奪うなどし、観戦に訪れた野球ファンの県民をうならせた。マウンド上では表情を出さず、クールな態度を貫いた。降板後の九回にチームが5点を奪取して勝利を呼び込んだ。勝利投手ではなかったがヒーローインタビューでマイクを握ると、観客から熱い声援を受けた。

 「初回は緊張で投げずらかったが、ヒットを打たれて割り切って投げることができた」と笑顔を見せた。與座の投球もたたえ、山川との対戦は「真剣勝負を(県民に)見せれてよかった」と安堵(あんど)した。沖縄の本土復帰50年の節目に地元で躍動し、県民の記憶に残る試合となった。
 (金良孝矢)

◆與座、八回117球無失点

 プロ5年目の與座海人は自己最多イニングの八回、117球を投げて平良海馬へとつないだ。下手投げからのインコースへの強気の直球が武器となった。勝利はつかめなかったが、辻発彦監督は「言うことなし。真っすぐを信じての投球が素晴らしかった。大きな自信になっているはずだ」と太鼓判を押した。

 與座は「相手先発は東浜巨さん。一緒に投げ合うことができたし、地元ということもあって相乗効果でプラスに働いた。絶対先にマウンドを降りないという気持ちだった」と気持ちが入っていた。七回を終えて「八回も投げさせてください」と監督に申し出ての続投だった。

 「前回打たれている」という柳田に対し、高めのボールをうまく振らせて2奪三振、3打席目を凡打に打ち取るなど主砲に仕事をさせなかった。

 松本が感染症拡大防止特例の対象となり12日に出場登録選手を外れ、先発の機会を手にした。地元で発揮した好感触の投球内容に手応えをつかんだ様子だが、「まだ5月。年間を通してどういう結果が残せるかが大事。続けていけるようにしたい」と長いシーズンを見据えた。
 (大城三太)