久米島のサンゴ再生支援 27年度までに400群体超の移植を目指す JTAなどの協議会


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久米島での支援開始を発表する「有性生殖・サンゴ再生支援協議会」と久米島漁業協同組合の関係者ら=12日午後、沖縄タイムス社

 日本トランスオーシャン航空(JTA、野口望社長)と水産土木建設技術センター、県内企業7社でつくる「有性生殖・サンゴ再生支援協議会」はこのほど、久米島漁業協同組合が久米島町で取り組んでいる有性生殖によるサンゴ再生事業の支援を新たに始めると発表した。2027年度までの6年間で400~480群体の移植を目指す。

 サンゴの植え付けには折った断片を使う無性生殖と、産卵を利用して増殖させる有性生殖があるが、有性生殖は高度な技術が必要となる。協議会はJTAと同センターを中心に20年に結成され、サンゴ移植に取り組む八重山漁協を技術や資金面で支援してきた。

 久米島に同センターの研究施設があり、有性移植に必要な施設での種苗生産が可能なことや、漁協が取り組みに力を入れていることから、久米島での支援が決まった。

 久米島漁協の田端裕二組合長は、島でもサンゴが自然界の回復力任せでは維持が困難となっているとして「サンゴ礁再生を目指し、子や孫に素晴らしい海を残せるよう努力したい」と語った。JTAの野口社長は「再生への支援の輪を国内外に広げたい」と意欲を示した。

 協議会に関わる企業7社は沖縄サントリー、仲本工業、琉球銀行、アザナ、沖電開発、日本たばこ産業沖縄支社、八重山観光フェリー。

(當山幸都)