「戦争に近づいているのか」バイデン氏発言、県民に不安の声 辺野古推進に憤りも<日米首脳会談>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米軍普天間飛行場(資料写真)

 23日の岸田文雄首相とバイデン米大統領との首脳会談では、岸田首相が防衛費の増額を表明したほか、米軍普天間飛行場の辺野古移設を進める考えを示した。会談を受け、県民からは憤りや複雑な心境を吐露する声が聞かれた。

 清掃業で働く71歳の女性=豊見城市=は防衛費の増額について「生活に困っている人が多くいるのに、防衛費に多額のお金が使われている。自分たちのお金なのに腹が立つ」と話した。

 那覇市在住の50代の男性は、バイデン大統領の発言について「戦争に近づいていると感じる」と心配した。一方で「中国が台湾に行動を起こす不安はある。米軍の抑止力が必要な気もする」と悩みながら話した。

 那覇市在住の84歳の男性は「本土の日本人が(基地建設を)『どうぞ』とやっている。沖縄は離れ島だから、本土にとって沖縄で何があろうと関係ないのでは。差別問題だ」と怒りを込めた。

 30代の公務員の男性は、バイデン大統領の発言を受けて「中国の態度を見ると台湾がかわいそうだとは思う。しかし、米軍の軍事介入で日本が巻き込まれるのは避けたい。特に沖縄には米軍基地がある」と心配そうに話した。

(金盛文香、狩俣悠喜)