金秀Gが減収減益 2期連続 流通、建設伸び悩む


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 金秀グループ(呉屋守将会長)は24日、2022年3月期連結決算を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の制限、原材料費や資材価格、エネルギー価格の上昇などで流通系、建設系の業績が伸び悩み、売上高は前期比2・5%減の942億2千万円、経常利益は同14・2%減の19億2200万円で2期連続の減収減益となった。糸満市の物流施設の不動産売却益があり、純利益は同51・8%増の16億900万円だった。

 連結対象は14社1事業協同組合。今期から企業ごとの業績発表ではなく「流通系6社」「建設系6社」「その他」でまとめての発表となった。

 流通系6社(金秀商事、金秀バイオ、金秀興産、金秀商事不動産、金秀フードサプライ、金秀ファーム)の売上高は前期比3・2%減の687億5600万円、経常利益は同5・5%減の11億1100万円だった。商事のスーパー部門は巣ごもり需要があった前期の反動減などで減収となった。リゾート部門も「かねひで恩納マリンビューパレス」が約4カ月休業するなど大きな影響を受けた。

 建設系6社(金秀建設、金秀鋼材、金秀アルミ工業、金秀鉄工、沖縄ピーシー、金秀琉球ファシリティーズ)の売上高は同9・7%減の290億2100万円、経常利益は同21・6%減の8億9千万円だった。建設資材価格の高騰で建築物件の着工遅れが発生するなど厳しい経営環境が続いたことで、受注競争が激化し減収となった。建設資材の高騰は、仕入れ価格の上昇に販売価格への転嫁が追い付かず、減益となった。

 その他(金秀ホールディングス、かねひで総合研究所、金秀事業協同組合)の売上高はセブンイレブンの新規出店、商業施設の不動産収入が押し上げ、32・1%増の38億3700万円、経常利益はグループ子会社からの配当金が増加したことで同4・2倍の5500万円となった。

 金秀ホールディングスの新垣秀彦社長は「コロナで金秀グループだけでなく県経済が大きな影響を受けた。その中で従業員の雇用を守り事業をできた。減収減益だが一定の成果はあった」と述べた。(玉城江梨子)