辻井伸行さんと読売日本交響楽団が演奏会 優雅な旋律が会場を包み込む なはーと


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ショパンの「ピアノ協奏曲第2番」を読売日本交響楽団と協演するピアニスト辻井伸行(手前中央)=11日、那覇文化芸術劇場なはーと大劇場(C)読売日本交響楽団(撮影・金城良孝)

 沖縄の日本復帰50周年と読売日本交響楽団(読響)の創立60周年を記念した演奏会「辻井伸行×読売日本交響楽団」が11日、那覇市の那覇文化芸術劇場なはーとで開催された。読響はピアニスト辻井をソリストに迎えて、ショパンの「ピアノ協奏曲第2番」などを披露した。オーケストラの大音響をバックに、ピアノの華やかで流麗な演奏が展開され、約1600人の来場者から盛大な拍手が送られた。読響の沖縄公演は約30年ぶり。指揮は沼尻竜典。

 幕開けはモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」序曲。華やかな演奏が展開され引き込んだ。続いて、ショパンの「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調作品21」を辻井と協演した。全3楽章から構成され、繊細で優雅な旋律とハーモニーが会場を優美に響かせ調和した。演奏終盤には目頭を押さえる観客も見受けられた。

 演奏を終え観客の拍手喝采を受けた辻井は、昨年琉球交響楽団のために作曲した「沖縄の風」のピアノソロを初披露しアンコールに応えた。辻井は「沖縄は大好きな街。(楽曲に)これからも明るくて平和な街であり続けてほしいとの願いを込めた」と振り返った。

 最後はチャイコフスキーの「交響曲第4番ヘ短調作品36」。第1楽章はホルンとファゴットの序奏から始まる。重苦しく、深い悲しみを表現しながら、強い生命力を感じさせる展開。第2楽章はゆったりとはかなさに包まれた。第3楽章は一転して、弦楽器奏者全員が、指で弦をはじく「ピッツィカート」が軽快に展開され陽気さを生んだ。最終楽章の第4楽章は、弦と木管楽器を中心に、一糸乱れぬ大迫力の演奏で盛大に締めくくった。

 主催は読売新聞社、日本テレビ放送網、読売テレビ、読売日本交響楽団。
 (田中芳)

※注:辻井伸行さんの「辻」は一点シンニョウ