空手道、東海・田場(浦添)が形制す 団体でも浦添男女が優勝 県高校総体


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 県高校総合体育大会は28日、各地で計18競技を行った。空手道の個人形の男子は東海毅(浦添)、女子は田場琳奈(同)が優勝した。田場は2連覇。団体形は昨年に続き男女ともに浦添が頂点をつかんだ。


けがの悪夢 振り払う 東海

 空手の個人形男子は県総体を「集大成」に位置付けていた東海毅(浦添)が栄冠を手にした。自己ベストにはわずかに届かなかったが、決勝では昨年の故障の原因となった「パープーレン」を演じ、嫌なイメージを拭い去った。

男子個人形決勝 パープーレンで頂点に輝いた浦添の東海毅=28日、うるま市具志川総合体育館(大城直也撮影)

 4月の県高校夏季大会で自己ベストをたたき出した「スーパーリンペイ」を準決勝で披露し、重厚感を発揮した。決勝は失った自信を取り戻す決意で臨んだ。「普段は決勝を楽しむが、今回は緊張した」と振り返る。

 肩の脱臼で昨年の総体を辞退して以降、大会のたびにけがした時の光景がよみがえったという。この日も演武前に緊張から手足の震えがあったが、持ち前の「平常心」でねじ伏せ、本番は力強くも緩急のある演武を見せた。

 優勝を決めるとすぐに2階席にいた母みどりさんの下に駆け付け、優勝を報告した。今年1月には同じ空手家の父・誠さんが病気で亡くなったばかり。母と抱き合い涙をこぼした。「自分の中で整理が付かず、空手を辞めようとも考えたが、両親のおかげで今日がある」

 父と約束したのは日本一。「練習を重ね、九州も全国もぶっちぎりで優勝する」と全国でも頂点をつかむことを誓う。

(吉田健一)


全国見据え進化誓う 田場

 女子個人形は田場琳奈(浦添)が2連覇を果たした。自己ベストを更新できず、納得のいく演武ではなかったと語るが「優勝できてほっとしている」と喜ぶ。

女子個人形決勝 スーパーリンペイで連覇を達成した浦添の田場琳奈(大城直也撮影)

 決勝は自己ベストを出した4月の夏季大会と同じスーパーリンペイを選んだ。力強さに重きを置いたが「終盤に疲労がたまって体が走らず、切れが足りなかった」と冷静に分析する。

 九州、全国大会に向けて「今回の反省点を踏まえて、パワーとスピードのバランスを意識したい。このままでは全国では勝てない」と次を見据える。3年生最後の総体、狙うは悲願の全国優勝だ。

(吉田健一)