「こんなところで終わりたくなかった。その一心だった」。今村佳太が最終クオーターの最後まで粘りを見せた。残り59秒で3ポイントシュートを決め、2点差に詰め寄る。宇都宮も食い下がるが、ディフェンスリバウンドを取り、さらにファウルで得たフリースロー2本をきっちり決めるなど、高い集中力を発揮した。
しかし猛追かなわずの敗戦。試合終了のブザーが鳴ると、キングスベンチ前で頭を抱えて座り込み、唇をかんだ。試合後の会見で「ブースターの後押しでここまで来たが、優勝を届けられず本当に悔しい」と言葉を絞り出した。
チーム最長の36分6秒をプレーして攻守で躍動、最多の18得点を挙げて気を吐いた。2年前にキングスの選手となり、チームとともに成長してきた。大舞台で力を出し切れなかったことを悔やむが、「チームの流れが悪い時に救ってあげられる選手になりたい」という思いは、最後までコート上で体現していた。
優勝を決めた宇都宮メンバーが高々とトロフィーを掲げる姿を見て、「あの光景をしっかり目に焼き付けた」と雪辱を誓うように語った。
(金良孝矢)
29日に東京体育館で行われたプロバスケットボールBリーグのチャンピオンシップ(CS)決勝第2戦で、琉球ゴールデンキングスは宇都宮ブレックスに接戦の末、75―82で敗れた。2戦2敗で王座を逃し、準優勝となった。キングスは第1クオーター(Q)、宇都宮のゾーン守備に阻まれ、リズムに乗れず得点が伸び悩んだ。第2Qからは相手守備を割る果敢な攻めで徐々にゴールをこじ開けた。さらに強度を上げた守りでボールを奪い連続得点につなげ、開始28分で逆転に成功した。しかし第4Q開始直後に宇都宮のエース比江島の攻勢を受けるなどリードされる展開を崩せず、懸命に追い掛けたが、逃げ切られた。