被害者の目に止まる モバイルプリンスの知っとくto得トーク[260]


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2019年9月、山梨県のキャンプ場で当時小学1年生の女児が行方不明になりました。母親のは、SNS上で女児の情報を求める呼びかけを行いました。そうした中、先月キャンプ場近くの山中から、人の骨や子ども用の靴などが発見され、連日報道されました。

SNSでもこの件について言及する人は多かったのですが、母親はホームページで「見つかった骨が娘のものであると決まっているかのような報道を目にし、娘がもうこの世にはいないというような言葉、母親が犯人だという言葉【※1】も目に入ってきています」と書いています。

 

※1 母親が犯人だという言葉 … こうした言葉は侮辱表現となり、傷つけられた人が訴えて裁判になることがあります。母親はこうした表現に対し「弁護士と相談して法的措置も検討しています」とも書いており、今後裁判になる可能性が出てきました。残念なことに、被害者やその家族をバッシングする行為はネット上で頻繁に発生しており、書き込む側だけでなく、SNS企業やニュースサイト側の管理体制も問われています。

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ニュースを見て、自分の意見が湧いたり、「この事件はきっとこういうことだろう」と想像したりすることがあります。一緒にテレビを見ていた家族や友人と感想を言い合うこともあるでしょう。

しかし、その感覚でニュースの感想をSNSに反射的に書き込んでしまうと、被害者や関係者の目に止まり、自分の思いとは関係なく傷つけたり苦しめたりすることがあります。

 

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言葉は、相手との関係性や伝えるタイミング、細かいニュアンスなどで受け取られ方が大きく変わります。

例えば、落ち込んでいる人を元気づけるために「頑張って!」と伝えることは、励ます、良いことだと考える人は多いと思います。

良い効果が生まれることもあるでしょうが、伝え方を間違えると落ち込んでいる人をさらに追い詰める可能性もあります。

コミュニケーションには分かりやすい正解はなく、じっくり考えることと失敗を繰り返しながら学ぶ必要があります。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

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