県高校総合体育大会は30日、各地で9競技を行った。ボクシングはライトフライ級の根間空志(陽明高支)、バンタム級の玉城亜洸(沖縄水産)、ライト級の玉城亜貴(豊見城南)などが頂点に立った。
「沖縄ボクシングの父」と呼ばれた名伯楽、故・金城真吉さんの最後の教え子となる根間空志(陽明高支1年)が、高校デビュー戦でライトフライ級を制した。根間は「金城監督には気持ちが大事だと教わった。絶対勝つという気持ちだった」と、りりしい表情で語った。
元プロ選手の父、仁さんも金城さんの教え子という縁で、幼いころから英才教育を受けた。金城さんが病に伏す直前まで、一緒にサンドバッグをたたいた。
決勝はガードを固めて実直にワンツーを繰り出す相手を、軽やかなフットワークでかわした。ジャブで距離を取りつつ、隙を見つけては懐に入り、連打を放った。序盤は緊張で距離感が合わない場面もあったが、すぐに修正し、最終の第3ラウンドはクリーンヒットを連発した。
金城さんの教えは「手数に制限はない」。根間は「理想は相手に打たせずパンチを打ち続けること。きょうは全然できていなかった」と反省し、さらなる飛躍を誓った。
(稲福政俊)