沖縄の商業地、5期ぶり上昇 コロナ下からの回復強まる 県内不動産DI


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沖縄上空

 県不動産鑑定士協会(高平光一会長)は31日、地価と不動産取引の動向に関するアンケート結果を発表した。半年前と比較した地価動向の業況判断指数(DI)は、住宅地が昨年11月の前回調査比26・2ポイント増のプラス36・1、商業地が同34・7ポイント増のプラス16・2、軍用地が16・7ポイント増のマイナス19・8だった。県内地価は新型コロナウイルスの影響でしばらく停滞していたが回復傾向が強まり、商業地が5調査ぶりに上昇超に転じたほか、住宅地はプラス幅を拡大させた。

 今後半年間の予測値は、住宅地、商業地の上昇感は多少弱まり、軍用地はマイナスながらも回復傾向は続くとした。

 住宅地は前回に続き全エリアで上昇した。特に宮古、石垣の先島地区はプラス70を超えた。石垣は市街地の盛り上がりや好条件のリゾート地の開発に伴って上昇したとされる。

 商業地は本島北部がプラス50、先島地区がプラス60・9と高い値を記録した。全エリアとも前回比でDI値は上昇したが、那覇市はコロナ流行前と比べ人の出入りがまだ完全に戻ったとは言えず、依然弱い状況が続いている。那覇空港の国際線の再開に合わせて再び上昇すると予想した。

 軍用地は本島北部を除いたエリアでマイナスだが、全体では上昇基調のため、悲観的な見方が和らいでいく傾向が見られる。

 賃貸市場の動向は、共同住宅の賃料のDI値が同25・4、稼働率のDI値が17・4とそれぞれプラス幅を広げた。店舗等賃料はマイナス9・8からプラス7・2に転じている。ただ、内訳は全種別で横ばいが約6割となり、市場の動向について慎重な判断をする回答者も多く見られた。

 高平会長は「コロナ禍で全国的に地価が下落している中で、上昇している沖縄はポテンシャルを感じる」と話した。

 調査は県内の不動産業者ら282団体から回答を得た。調査結果の詳細は、県不動産鑑定士協会のホームページで確認できる。(與那覇智早)