21年のかりゆしウエア製造枚数、24%減の28万枚 12年ぶり30万枚下回る


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かりゆしウェア(資料写真)

 2021年のかりゆしウエア製造枚数(下げ札発行枚数)は前年比24%減の28万5447枚となり、09年以来12年ぶりに30万枚を下回ったことが1日、県のまとめで分かった。減少は3年連続。新型コロナウイルスの流行が長引いて自宅で過ごす時間が増えたことや、観光客減少による需要減少が響いた。経済活動の回復を見据え、業界団体はレディース商品の拡充や長袖ウエアの商品開発などを通じ、需要掘り起こしに力を入れる考え。

 かりゆしウエアは2000年の九州・沖縄サミットをきっかけに認知度が高まり、人気が広がった。夏場の軽装を促す政府の「クールビズ」運動が2005年に始まったことも追い風となり、県内ではビジネスからプライベートまで浸透している。

 県内で縫製・加工されたかりゆしウエアであることを認定する県衣類縫製品工業組合の下げ札の発行ベースで、製造数は14年に49万3035枚と過去最高を記録した。その後は減少や横ばいが続き、コロナの感染が拡大した20年は37万4525枚と7年ぶりに40万枚を下回り、21年は12年ぶりの30万枚割れとピーク時の6割弱の水準に落ち込んだ。

 コロナで外出や営業活動の自粛が続き、ビジネスシーンの利用や観光客向けの需要が落ち込んだことが減少の背景にある。同組合の大城直也代表理事は「苦しい状況だが、復活の兆しはある」と見通す。

 組合は今後、魅力的な長袖ウエアの普及による年中の着用やレディース商品の拡充、カジュアルウエアとして着こなしの提案などに力を入れ、県外、国外への売り込みに備える。大城代表理事は「やれていないことは多い。県産品の愛用をお願いしながら、沖縄の元気を共有できるよう頑張りたい」と語った。
 (當山幸都)