沖縄県のミスで10億円目減り 交付予定が得られず 振興ソフト交付金


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事務処理の誤りを陳謝する県の宮城力総務部長(右)ら=1日、県庁

 沖縄県総務部財政課は1日、沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)を活用した、石垣市の生乳加工処理施設の整備事業を巡る手続きにミスがあり、2021年度分として交付される予定だった約10億1892万円を国から得られなかったと発表した。22年度のソフト交付金384億円から「過年度支出」として充当するため、同年度のソフト交付金は目減りすることになる。

 1日に記者会見を開いた宮城力総務部長は「適正な事務処理を行うべきという県に対する県民の信頼を傷つけた。深くおわびする」と謝罪した。

 県によると、生乳加工処理施設は20年度に事業を開始したが、地盤改良が必要なため、21年度に事業を繰り越す「明許繰越」を実施した。21年度は新型コロナウイルスの影響もあり、設備の部品などの納入が遅れ「事故繰越」として22年度に一部事業を繰り越した。

 21年度分の約10億円は今年4月に国へ請求する必要があったが、県は事業完了後の22年度に報告・請求するものだと認識したため、請求が漏れた。5月2日に内閣府からの指摘で事務処理の不備が発覚し、国と協議した結果、22年度のソフト交付金から充当することが決まった。

 県では財政面での手続きの不備が相次いでいる。 (池田哲平)